■ 言いたい放題 37 | |||
部下がいけないことをしているのに、その場では注意もしないで、後でそのことを理由に人事考課で減点する上司。 部下がいけないことをしている場合、その場で注意して指導することが大事なのに、その場では、何もアクションを起こさない。 しかし、これはまだ「事実」があるだけいい方であり、中には、事実がないのに「気に食わない」などの理由で人事考課の評価を下げるケースもある。 いずれの場合も、表面上は何も言わないで、こっそり人事考課の評価を下げる「卑怯な仕返し」を行う例である。 管理者意識が低い人、管理者の自覚がない人に人事考課の権限を与えるとこのようなことが発生し、上司との信頼関係や、会社への信頼感に悪影響を与えることとなる。 人事考課を行うのであれば、評価をする人たちの教育をすることが必要である。
|
|||
部下に注意して欲しい点や能力の不足点はしっかり認識しているものの、その点を捉えて人事考課で減点すると部下が反発するので、問題点は目をつぶって甘い点数をつける上司。 人事考課には、「能力の不足点や行動の問題点を本人自らに自覚させ改善を促す」目的があるにもかかわらず、その点を指摘せずに部下にゴマをすってしまう。「自分にも部下にも甘い」管理監督者によく発生する。 結果的に、部下の能力開発の機会をなくしてしまい、「部下をつぶす」ことになってしまう。
|
|||
新人事考課制度導入の説明会をすると、よく「上司の好き嫌いにより評価されるのではないか」という不信感を持ち、質問や反対意見を言う人がいる。 確かに人間が行う以上、そのようなことは考えられるが、それらを極力排除するために、基準を作ったり、ルールを明確にしたり、考課者訓練を実施したりて、より客観的に評価できるようにするわけである。しかし、それでも「好き嫌いの感情が入るのではないか」と納得しない人がいる。多分、過去によい評価を受けたことがなく、それは上司の「好き嫌い」のせいだと思っている人であろう。 そんな人には次のように話をしている。 「確かに、最終的には好き嫌いの感情が入るかもしれませんね。もしそうだと思うのであれば、上司に好きになってもらえるように、努力すればいいのではないでしょうか。上司はどんな人が好きだと思いますか?それは評価のいい人なのですよ。」 上司だって評価される。自分の評価にプラスになるように仕事してくれる部下は好きになるであろうし、マイナスになる部下は嫌いになるのは当たり前のこと。日ごろの付き合いは別にして、評価するときは、より公平に評価しようとするのは、上司自身のために絶対必要なことである。中途半端な評価や感情的な評価により、部下が反発して部門の業績が落ちたら自分自身マイナスになってしまう。部門業績をあげるためにも、より公正な評価をしようとするのは、ごく自然のことである。 年功序列時代の感情による評価をイメージしているのは、部下の方。考課者は経営環境の厳しさを認識して、必死に公正に評価しようとしている。普通の会社は、・・・。 危機感の不足している会社はそうでもないが、・・・。
|
|||
人事考課は仕事上の行動や成果・能力を評価することなのに、仕事に関係ない私生活のことまで評価に反映してしまう上司。 「飲み屋に借金がある」とか「夜遊びが過ぎる」とか、仕事に関係ないことまで評価に反映する。中には、「今度結婚したから評価を上げよう」とか「子供が出来たからご祝儀に評価を甘くする」というケースもある。 人事考課を導入すると、何でもかんでも人事考課と結び付けて考える管理者もいる。全く人事考課の目的や意味がわかっていないと言える。 人事考課は単に昇給や賞与を決める点数で付けではない。 |
|||
点数の分布が偏るとすぐ修正したくなる人事担当がいる。 日頃の仕事ぶりを見ていない人事担当が、自分たちの思惑で修正してしまうことが一番の問題と言える。 出た結果を修正するのではなく、事前に正しく評価できるようにルールや基準を明確にし、教育することが人事担当の役目である。
|
|||
エラーのない公正な人事考課を行うためには、まず、仕組みを整備することが必要である。 せっかく人事考課を行うのであるから、結果としてよい影響を与えるようでないと意味がない。 @ 人事考課の仕組みをしっかり作る
ただし、これは「部下の評価をする上司の管理監督者としての意識が高い」ことが大前提である。 もし、そのような意識が低い場合は、人事考課の前に人事考課を行う管理監督者に対する教育が必要である。
|
|||
文句を言った社員にコッソリ給与や賞与を上げる、文句は言わないでまじめに仕事している社員の給与や賞与は据え置くなど、「正直者がバカを見る」ようなことは絶対あってはいけない。 正直者がバカを見ないようにするためには、・・・ 1. 賃金や賞与の決め方を見えるようにする。
さらに、成長するためには 1. 必要な技術・技能の一覧表を作成し、誰が何をどれくらいできるかを明確にする。
人事制度を整備することが、正直者がバカを見ないようにすることにつながる。
|
|||
人事制度が全くないので、新たに作りたいとい相談をよく受ける。本当にそうであろうか。 実際には毎月給与を払っているわけであるし、妥当な人に役職を任命しているはずである。「人事制度がない」ということはありえない。現在も運用している立派な人事制度があるはずである。ただ、紙に書いていないだけである。 明文化されていないから、決定者以外はわからないということだ。決定者(社長や実力のある役員)には、自分なりの判定基準があり、人事制度があるということである。 したがって、まず、今ある人事制度を目に見えるように「可視化」することが先決である。可視化することで、今の状況に合わない点や将来への問題点が見えるようになってくる。そして、その部分を改善していけばよいのである。 現状の人事制度を可視化しないで、今まで運用してきた現状の人事制度を否定して、新しい制度をいきなり導入してもうまく行く可能性は低い。 まず、今運用している制度の可視化を行い、よい点や問題点を認識した上で改善していくようにした方が不要な混乱を防ぐことができるし、より自社にあった制度として運用できるようになる。と考える。 もちろん、可視化の仕方や見せ方などは注意が必要である。
|
|||
例えば、昇給が少なかった、賞与が少なかったなど金額の不満に対して、それをすべて解消するように金額を上げることはできない。 しかし、そのような不満を持ったままではよい仕事ができないであろうから、何らかの方法でその不満を解消する必要がある。 少なくても、 ・ 自分の評価はどうなっており、その評価とどのように連動しているのか ・ 自分の役職や等級などとどの連動しているのか は、わかるようにする必要がある。(事前にわかっているのが一番いい) なお、いくらプロセスがしっかりしていても金額そのものが圧倒的に低いものであれば、黙って退職するので、不満は出ないだろう。
|
|||
よく「顧客満足」が大事であるといわれるが、その顧客に満足を与える側の社員が会社や仕事に不満を持っていては、顧客に満足を与えることはできないであろう。 顧客満足を推進するためには、まず社員が会社や仕事に満足していることが不可欠である。社員が会社や仕事に満足感を持ってイキイキと仕事をすることが、顧客満足につながり、業績向上に結びつくのである。 もちろん、社員満足は人事制度だけではなく、それ以外の仕組みや職場環境など色々な要素によってもたらされる。 また、社員満足は金銭的報酬だけではなく、精神的報酬が大きく影響する。 人事制度だけでなく、他の仕組みや職場環境、仕事の進め方、教育、上司のリーダーシップなど「社員満足という観点」で、一度チェックしてみたらどうだろう。
|
|||
|
|||