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  評価のQ&A 6

 
   

 26.総合評価の算出方法は?

 
   

 総合評価の評価数値が、どの様にして算出されるのかが判りません。
ウエイト付け配分等は、それなりに考えることは出来ると思うのですが、総合評価の絶対値を出す方法を、教えていただきたいと思います。

次のように算出いたします。
 評語SABCDを54321の数字に置き換えて、それぞれのウエイトを掛け算し、合計します。最高500点になりますので、5で割って100点満点に直します。

 成績考課で目標管理をしている場合は各目標についてウエイトをつけ同じように点数化します。(5点満点になるように)

考課項目・要素

評語

 ウエイト

計算

成績考課

40% 

 2×40=80

情意考課・規律性 

10%

 3×10=30

情意考課・責任性 

10% 

2×10=20

情意考課・協調性

10%

3×10=30

情意考課・積極性 

10% 

3×10=30

能力考課・知識技能

4%

3×4=12

能力評価・判断力

4%

3×4=12

能力評価・企画力

4%

3×4=12

能力評価・折衝力

B 

4%

3×4=12

能力評価・指導力 

4%

2×4=8

合計

 

 

246(500点満点)

100点満点に直すと

 

 

49.2点

 

 
   

 27.賃金制度を見直す背景は?

 
   

 先日、当社で賃金制度を見直すという話がありました。成果主義とか関連会社も見直したからとか、いろいろ理由を言っていましたがよくわかりません。経営者が賃金抑制のためにするのか、あるいは一つの流行で行うのかと、疑問に思いました。賃金制度を見直す理由や背景を教えてください。(isiseさんより)

 いろいろ考えられますが、主なものを下記にあげてみますので、参考にしてください。

1.バブル崩壊後の経営環境の悪化 = 右肩上がりの終焉  

今までの意識(バブル期)

これからの意識(ゼロ成長期)

・ モノを作れば売れる
   売れば儲かる
・ 良い品であれば売れる
   生産性・メーカー指向
・ 借金が多くても持ち堪えた
・ 在庫は多いほどよい  

・ モノを作っても売れない
   容易に売れない・儲からない
   社会が要求しているものでないと
  売れない
   市場性・販売指向
・ 借金が多いと持ち堪えられない
・ 在庫を少なくしなければならない  

2.国際化による海外とのコスト競争 = 人件費が大きく違う

3.機械化,FA化,OA化による高技術化
    = 年功による熟練を必要とする仕事が少なくなってきている

4.賃金不均衡の解消

 

今までの賃金(バブル以前)  

今の賃金(バブル崩壊後)  

前提  

賃金は毎年上がるものだという前提  

賃金が毎年上がるとは限らない。下がることもある。  

昇給率  

昇給率が10%近くあった年も。

いまの昇給率は2%ぐらい。

不均衡  

社内的に昔からいる社員は金額が多い。  

近年に入社した社員は比較的に金額が少ない。今のままの昇給率ではとても今の高齢者に追いつかない。  

年齢層

45歳以上の人は基本的にインフレ組。特に50代の人は過去の年功序列の昇給が累積しているバブル組といっても過言ではないぐらい割高になっている。

30歳以下の人はデフレ組。20代はバブル崩壊後に社会人になっていますから正真正銘のデフレ組といえるでしょう。  

5.賃金の対する価値観の変化
     賃金=年功(経験や年齢)
     賃金=能力(知識や技能・技術)
     賃金=成果(仕事の結果・目標達成度)

 6.働く人の価値観の変化
     ・     平等主義 みんな一緒
                ⇒   へんに差をつけて波風を立てることはない  

          公平主義 一律平等は不公平
               ⇒ 公正に評価して欲しい、評価に見合った賃金がほしい

これだけ世の中の前提が大きく変わってしまったのだから、いろいろな仕組みを根底から作り直す必要性にかられている。
 賃金制度においては、デフレ時代に対応した「仕事と賃金のバランス」が取れた制度にすることが必要になっている。

 
   

 28.成果主義が本当にいいのか?

 
   

 先日、富士通が成果主義賃金を一部見直すという新聞報道がありましたが、日本で成果主義の賃金制度は本当に必要なのでしょうか?

-------------以下、新聞の抜粋-------------

 富士通は成果主義に基づく賃金制度の評価方法を一部見直す。
企業業績と個人の目標達成度を社員の年収や昇進に反映させてきたが、今年度から仕事の結果だけでなく、プロセスやチームワークなども評価の対象とする。
安易な目標を設定し困難な仕事に挑戦しなくなる社員がいるためで、評価方法を多角化して社員のチャレンジ精神を高める。
 富士通は他社に先駆けて1998年度に年功序列型の賃金・人事制を廃止。目標達成度を重視した成果主義の賃金制度に移行した。
 同制度では社員は半年ごとに上司と相談して目標を設定。
それを達成すれば、昇進・昇給につながった。
いわば結果のみが問われる評価方式だが、「目標達成度だけでは個人の正当な成果を判定するのは困難」(同社)と判断した。
新しい制度ではより困難な目標に挑戦した社員は期中に目標を達成しなくても、仕事の進ちょく状況や取り組み方などが評価されれば昇進や昇給が可能になる。

[4月6日/日本経済新聞 朝刊]
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 二つに分けて考える必要があると思います。
ひとつは成果主義そのものがどうかという点と、もうひとつは評価を含めた運用面をどのように考えるかという点です。

 成果主義については、よいか悪いかは別にして、今の経済環境から考えると将来的に主流になっていくものと思われます。

  1 経済が成熟期を迎え、低成長が続くこと 
  2 国際化がより一層進むこと
  3 高齢化が進むこと
 などの理由から、近い将来には職能型の賃金が維持できなくなり、部分的には成果型の賃金を導入していかざるをえないと考えられます。

 ただ、それには前提があります。このホームページの「評価の基本」の「成果主義導入の前提」に書きましたが、その前提条件をクリアしないで、賃金制度だけ成果主義では、うまく行くはずがありません。
 したがって、その前提条件を進めながら、成果主義の度合いを徐々に強くしていく必要があります。
 例えは、賞与などのお金にかかわる部分は成果主義の度合いを大きくして、昇格や昇進などは、プロセスや行動面、あるいは能力などを評価して運用するという方法などです。

 評価等の運用については、賃金の前に評価制度を明確にして、評価制度を先行実施することが必要です。そして評価の納得性を高めたうえで、成果主義の賃金に移行することが望まれます。
 評価制度が十分でない、また、評価に不安があるのに、その評価が賃金に連動したのでは働く方はたまったものではありません。
 実際、成果主義賃金を導入している企業でのアンケートでも、成果主義の導入については優秀な人間ほど理解しています。不満が多いのは、評価の納得性についてです。(優秀な人間ほど多い)
 したがって、評価に対する不安を払拭することが必要になります。
逆に、評価制度をしっかりさせ、評価の納得性が高まれば無理に賃金制度を変えなくても、従来の能力主義の賃金であっても、厳格に運用すれば十分やっていけるケースも出てきます。

 成果主義の評価となると、目標管理が主流となりますが、目標管理を十分理解し運用できない状態で、賃金に連動すると、目標管理自体が機能しなくなり逆効果になる恐れもあります。

 結論として、成果主義がよいか悪いかということは別にして、成果主義的に考えていかざるを得ないと思われます。そのために、今のうちに評価制度を明確にして、納得性のある評価ができる状況を早く作る必要があるわけです。評価項目については、いきなり成果だけ、結果がすべてということではなく、プロセスや行動面の評価も行い、それぞれのウエイトを調整して、評価の精度にあわせてウエイトを変えていいク方法がよいでしょう。

 少なくても、他社が成果主義を導入したから当社もそうしよう、などという考えではうまくいくはずがないと思います。
 もし、成果主義を導入するのであれば、下記のことを十分検討して、導入する必要があります。

1 成果型の賃金をなぜ導入するのかをはっきりさせる。
2 単に賃金を下げる目的であってはならない。
3 業務に責任を持たされ、権限があり、裁量度が高い上級管理職及び専門職としする。
4 ある程度収入が下がっても、生活に支障のない賃金レベルの人に限定する。
5 評価基準や賃金決定基準を明確に定める。
6 評価については、評価者訓練等を十分に行う。
7 苦情を届け出られる機関を設置する。
8 目標設定においては、お互いに納得できる年間目標とする。
9 最低保障の賃金を明確にしておく。

 

 
   

 29.能力考課が出来ない時の処理

 
   

 「評価の基本2」の(8)の3項で、 能力考課ができない場合というのがあります。
 ある対象者がこれに該当してしまった場合には、どのようにして、 最終的な評価結果(S-D)を出すのでしょうか?(HP訪問者からの質問)

 与えた仕事によっては、能力の判定が出来ないことがあります。(評価の基本参照)
ただこれは、その与えた仕事からは判定できないということであり、それ以外の仕事で判定できれば、問題ありません。
 一般に、本人の等級と比較して、少し高めの仕事を3割くらい、等級相当の仕事を4割くらい、
低い仕事を3割くらいの割合で仕事を与えるのが、能力開発の意味でも、きちんとした評価をする意味でも、望ましいといわれております。

 そうはいっても、組織の都合上、そううまくいかない場合はどうすればよいでしょうか。

■ 同じ等級の場合で、今期能力が判定できる事実がなかった場合は、前回の評価をそのまま使います。

■ 昇給したてで、能力の判定が出来ない場合は、通常Cが妥当でしょう。
 小学生3年生が1学期修了時点で、3年生としての能力を判定すれば、まだ勉強していないところもあるので、普通は期待水準以下になります。
 標準滞留年数(標準的にその等級を卒業するまでの年数)が3年とか4年の等級に昇格したての 1年目は、通常、期待水準以下が妥当でしょう。
(そのようなルールを明確にしている企業もあります。)「昇格1年目は能力考課C」というように。

■ 異部門の配転の場合は通常、等級より低い仕事を与えるため、能力評価が出来ないことが、多く発生します。
 この場合は、配転者に不利益にならないように、配転前の評価点の過去3年(または2年)の平均点を便宜上与えるようにします。

 会社によっては、それぞれに独自のルールを決めている場合がありますが、特にルールがない場合は、上記のように考えるとよいでしょう。
(あくまでも、育成型人事考課の場合です。)

 
   

 30.賃下げはできますか?

 
   

 社員50人ほどの工場を経営していますが、業績の悪化が続き、賃金の引き下げを検討しております。合法的に賃下げはできるのでしょうか?(ある経営者Pさんからの質問)

 雇用契約も「契約」ですから、契約の中身である賃金などの労働条件を変更するには、原則として、使用者・労働者双方の同意が必要です。したがって、労働者の同意のない一方的変更は無効となりま。逆にいえば、双方が合意すればよいということでもあります。

 賃下げや減給には次のようなものがあります。

 

減給の種類

内容・条件

合法性

減給処分

就業規則上の懲戒規定による減給処分
一回の減給額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならず、かつ、一賃金支払期における総額がその期における賃金総額の十分の一を超えてはならない

雇用契約どおりであり、合法

返上

管理職従業員などが本人の意思により賃金の一部を返上する措置(本人の真意であればOK)

合意によると見なし合法

役職交代による手当減額

役職手当が支給されており、役職が変わった場合、当然それに見合った手当に変更される。手当が引き下がることもあれば、役職を外れた場合は0になる。

使用者の配属権限に帰することであり、合法

職務給の減額

職務給を採用している場合、職務が変わり職務給も変更になることは当然のことであり、職務給が引き下がることは当然ある。

年俸制

年俸制はもともと、労働者の業績等に応じ、交渉の結果として賃金の減額がありうることを予定している制度であり、年俸制の根拠規定がある以上は、賃金減額は当然ありうる。

合法

職能給の減給

基本的に職能給の減給はない。
合意による減給ルールがある場合はOK。

合理的ルールがあれば合法

制度見直しによる減給

仕事内容が変わらなく、制度が変わったという理由、あるいは新制度での格付けが変わったという理由で賃金を引き下げることは違法との判例あり。合意があればOK。

合意がなければ違法

年齢による賃金カット

一定年齢以上は00%カットというような賃金カットは労働者の合意があればOK。通常、定年延長等の代替にて合意している。使用者の一方的な賃金カットは違法との判例あり。

合意がなければ違法

業績不振による賃金カット

業績不振で整理解雇を防ぐための賃金カットについては、労働者の合意が得やすい。また、就業規則不利益変更の合理性に該当するケースが多い。

手続きを踏めば合法

 今回の場合は上記の9に該当しますが、会社の状況をよく説明し、雇用の確保のために、「いたしかたがない」ということを納得してもらうことが必要です。