Click here to visit our sponsor

トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  評価のQ&A 8

 
   

36.近年の人事管理の長所と短所

 
   

 「近年の人事労務管理の長所と短所」について考察する課題なのですが、長所と短所がわかりません。そもそも年功序列が崩れた等が近年の人事労務なのですか?(学生さんより)

 確かに、近年をどう考えるか、難しいですね。とりあえず、日本的人事管理の特徴として、
定期採用 定年制 継続的育成 内部昇進制 定期昇給制等
があげられ、バブルのころまでは長所として、
組織の柔軟性 創造的経営 人材育成 労使の協力関係 雇用・生活の安定など
に貢献したと考えられます。

 ただ、バブル崩壊以降はこれらの特徴が短所として、経営に悪影響を及ぼすようになりました。
  高賃金者の増加による賃金ファンドの限界(年功人事の行き詰まり)
  定年延長による人件費負担増と職場配置
  定年延長と定年適齢層の増加による退職金の増大
  合理主義・公開主義の浸透………納得性の追及
  学歴・男女・勤続による昇進・昇給は崩壊
  画一的な年功による能力開発は意味がない
  低成長によるポスト不足、
  役職による処遇の限界………モラール低下
 そこで、最近は成果主義、職務主義ということで欧米の仕事を基準にした考え方を、取り入れるようになりましたが、うわべだけの導入になってしまい新たな問題が発生しつつあります。
 評価の納得性がない、目標管理がうまく機能しない、仕事のやり方などに自由度や権限を与えないで、成果だけを求める、などです。

 確かに、マスコミの報道等では年功序列賃金が崩れたようですが、実態は、まだまだ年功序列の企業が多いようです。(能力主義も含めて)
最近の試行錯誤的ないろいろな企業の取り組みのことではなく、大多数の日本の企業が採用していた(採用している)年功序列型(能力主義も含む)の人事管理について論じればよいのではないでしょうか。
 それ以降の取り組みについては、実態としては個別性があり、日本の企業としての人事管理と一くくりできる状態ではないと思います。

 

 
   

37.公正な評価ができるかどうか心配だ。

 
   

 人事考課と評価を区別して考える必要があります。評価とは「物の善悪・美醜などを考え、価値を定めること。」と辞書に書いてありましたが、人事考課とはその評価の範疇の中で「仕事上の行動や結果、能力を評価すること」になります。

  仕事をする中で、誰をどのように評価するかということは、基本的に自由であり、気に入ったとか、ウマが合うとか、いろいろありますが、基本的にどう思うかは自由でしょう。 そして、それにあった付き合いをすればよいことであると思います。

 しかし、人事考課と評価とは別物です。年に2回か3回、人事考課を行う時は、そのような個人的な判断ではなく、決められたルールと基準で行うことが「人事考課」なのです。人事考課は一定のルールと基準によって仕事上の行動や結果を評価することであって、決して人物評価や好き嫌いの評価ではありません。

 人事考課する前に、人事考課のルールと基準を明確にすることが大前提です。そして、「事実に基づいて、基準と照ら合わせて、ルール通りに」人事考課を行えるように考課者訓練をしっかり行うことが必要です。考課される人にも、被考課者訓練で人事考課のルールや基準を浸透させると効果的です。

 

 
   

38.部門間の甘辛が不安

 
   

 部門間の甘辛があると感じているが、高得点をつけないと部下が割を食うのではないか心配なのだがどうしたら良いか。

 評価が甘いということは、上司の期待値が低いということであり、ダメなものでもよいと認めることですから、部下をつぶしてしまいます。

 部下はそれでいいと思ってしまい成長が止まります。
部下が成長しないと、組織目標の達成ができなくなってしまい上司の評価が悪くなってしまいます。部下の成長のためにも、組織目標達成のためにも「甘い評価」は弊害です。

 
   

39.相対考課の方が現実的

 
   

 絶対考課では基準を揃えるのが難しく、相対考課の方が現実的ではないか。

 社員同士比較して優劣をつけることがよいことかどうか?それぞれ条件もちがうわけで納得性があるかどうか、疑問があります。

 育成のためには絶対考課が必要です。人事考課は職務遂行能力の分析評価であり、言い換えれば「職務遂行能力の健康診断」です。
 基準に対して劣っているかどうか、勝っている点はどこかを判断して今後の仕事に活かしていくためであり、今後の行動を改善するためのものでもあります。
 例えば、実際の健康診断で「あなた○○さんより健康です」といわれて何か役に立ちますでしょうか。
 育成のためと考えれば、やはり、絶対考課で行う必要があります。処遇だけでいいのであれば、相対考課で行うこともできますが、組織力を必要とする企業ではチームワークが保てないので難しいようです。

 
   

40.フィードバックの方法は?

 
   

 考課のフィードバックの方法は?何を伝えるべきなのか。

  フィードバック(育成)面接は「賞与や昇給が多いとか少ないとかを事前通告する」場ではありません。
あくまでも、半年間の仕事振りを見て、よかった点悪かった点を確認し今後につなげていく場です。

 育成面接の流れを参考にしてください。