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  人事制度の基本 3

 
   

 11.年齢給の必要性?

 
   

  賃金は生活保障の原則と労働対価の原則で成り立っています。
労働対価については職能給や職務給あるいは成果給などで対応しているとことが多いと思います。
生活保障については、年功制からの移行のしやすさや、年齢によりある程度生活費が予想できた点から年齢給を採用する企業が多いと思います。それでは考えてみましょう。

 まず、賃金に生活保障を考える必要があるのかどうか、です。
「当社成績給だけよ」という会社もあるかもしれませんが、その成績給の最低はゼロではありませんよね。どんなに成績が悪くてもある一定賃金を支払うわけですから、名称はどうあれ、生活保障の原則を取り入れていることになります。(委託販売契約のフルコミッション制を除いて)
やはり、ある一定金額は成績や能力と関係なく保障することで、安心して働ける環境が作れると思います。したがって、賃金には生活保障の部分も必要であると考えるのが妥当でしょう。

 問題はその最低保障の金額を、年齢に連動して引き上げるかどうかということですね。
 以前は年齢である程度生活費の予想ができたものの、ライフスタイルが多様化している現在では年齢による生活費はほとんど予測できないのではないでしょうか。
そんな中で年齢だけで上昇する賃金が必要でしょうか。私はあまり必要性を感じません。
生活保障という観点から言えば、年齢より子供の人数のほうが大きいのではないでしょうか。
40歳独身よりは25歳子供2人の方が生活費はかかると思います。
いくらライフスタイルが多様化しているといっても、子供にかかる費用、特に教育費はほとんど変わりません。(金額ではなくて、必要となる時期はみな同じという意味)

 このように考えると、賃金に生活保障の要素は必要である。
その金額は年齢に連動するより、子供の数に連動させた方が現実的である、ということになります。
 したがって、年齢給は必要なし。生活保障は家族手当で行う方がよい、ということになります。(日本の少子化防止のためにも)

実務的に考えますと、  
  ・ 年齢給の最低額を基礎給として固定にする。
  ・ 今まで年齢給で増額していた分を家族手当に振り替える。
  (子供3人の家族手当と基礎給の合計が今までの年齢給の最高額になるように手当を設定する。)
  ・ この場合、特に子供の手当を多くする。(子供の手当は大人になるとなくなる)
  ・ 家族手当は残業の基礎に入らないので、多少多くしても問題ない。
  ・ 定年延長で55歳で賃金カットなどの処置をしている会社があるが、家族手当であれば、子供が成長して自動的に支払額が少なくなるので、賃金カットによるモラールダウンを防止できる。
  ・ 必要な人には55歳以降も支給される。(支給開始が遅かっただけであり、合理的である)
  ・ 男女の賃金格差を無理やり総合職一般職に分けて合法化しているが、家族手当であれば、世帯主だけであるから、無理やり分けなくても現行賃金に当てはめることができる。
  ・ もちろん女性が世帯主の場合は女性に対して家族手当は支払う。
など、よい点がたくさんあります。

 年功制から脱皮するのであれば、まず、年齢や勤続で連動する賃金項目をゼロにすることです。
そして、年齢以外のもので生活保障を考えることが必要です。

 もちろん、急激な変化を望んでいなく、ある程度年功色も残しておきたいのであれば、年齢給はその上昇カーブをうまく考えれば、よい賃金項目だと思います。

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 12.管理職の年俸制の例

 
   

 現在の職能資格制度をベースにした、管理職の年俸制導入の事例を公開します。

1.改訂の目的と期待
 a. 年俸制で管理職の意識改革する。カツを入れる。
 b. 右肩上がりの賃金、積み上げ方式の賃金に矛盾を解決する。
 c. 能力主義の徹底は業績と報酬の合致であり、年俸制はその通りに運用できる。
  (賃金=時間、賃金=能力、⇒ 賃金=成果)
 d. 管理者意識が向上し、積極性が出る、だろう。
 e. 能力主義実力主義の風土が生まれる、だろう。
 f. 面談を通じて、コミュニケーションがよくなる、だろう。
 g. 評価プロセスが明確になり、納得性が高る、だろう。

2.改訂の内容
 a. 管理職の賃金を年俸制とし、年俸の内訳は「基本年俸+業績年俸」とする。
 b. 基本年俸は管理職の職務と役割および実績に応じて、決定する。
 c. 支払方法は基本年俸の1/15を月例賃金とし、3/15を年間賞与とする。
 d. 業績年俸は半期ごとの業績評価(目標管理)により決定する。
 e. 業績年俸は年間で0から基本年俸の4/15とし、賞与に加算する。
 f. ただし、賞与(年間3か月分)+業績年俸(0から4か月分)については、会社業績係数を乗じた金額を支給する。
 g. したがって、計算式は次の通りとなる。
  年俸=基本年俸×12/15+(基本年俸×3/15+業績年俸)×会社業績係数
  業績年俸=基本年俸×1/15×業績評価(×0,1,2,3,4)
  会社業績係数=経常利益実績(予想)/目標経常利益

  年俸900万円の場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.基本年俸の決定方法
 a. 管理職をライン職群、スタッフ職群、キャリア職群の3つに区分し、さらに、ライン職群はその職務に応じて「部長」「筆頭課長」「課長」に分ける。これにより、基本年俸のテーブルを決める。
 b. ライン職群は部門管理を行う立場の人で、各組織の責任者である。

部長

部長を任命されたもの。定員は部の数。

筆頭課長

ひとつの部に課長が2名以上場合、部長不在時の代行を行う筆頭課長が任命される。
ただし、任期は2年とする。定員は最大で部の数。

課長

課長を任命されたもの。定員は課の数。

 c. スタッフ職群はライン役職待機者、および、専門職者などライン職群以外の管理職とする。(下記のキャリア職群を除く)
 d. キャリア職群はライン職群、スタッフ職群で役職定年となったものとする。
 e. テーブルにおける号俸の格付けは次のように行う。

 1  各ポスト(部長、課長)の職務分析を行い、その職務価値の大きさに応じて3段階に分ける。これにより職務価値の低いポストから2、3、4の号俸を格付ける。
 2  さらに、そのポストに任命される人の実績により、上下1の幅で調整する。新任の場合や前年実績は極端に悪い場合はマイナス、職務価値の高いポストから低いポストに配属の場合や前年実績が極端によい場合はプラスとする。
 3  したがって、ライン職群は5段階(5号俸)となる。
 4  筆頭課長は普通の課長と同様に格付けし、テーブルのみ筆頭課長のものを使用する。
 5  スタッフ職群の格付けは、所属の部長、課長の格付けを参考に、その職務の大きさと責任の重さを考慮して格付ける。格付けの段階は15段階とし、その職務レベルが課長級の場合は1〜5号俸、筆頭課長(今までの次長)級の場合は6〜10号俸、部長級の場合は11〜15号俸とする。
 6  キャリア職群の格付けは、役職定年前の基本年俸の80%を目安に、その職務と責任の重さにより決定する。

管理職基本年俸テーブル表
( )内は月例賃金  単位:千円

テーブル

ライン職群  

スタッフ  
職群  

キャリア  
職群  

号俸  

部長

筆頭課長

課長

9,450(630)

8,100(540)

6,750(450)

6,000(400)

5,400(360)

9,750(650)

8,400(560)

7,050(470)

6,300(420)

5,700(380)

10,050(670)

8,700(580)

7,350(490)

6,600(440)

6,000(400)

10,350(690)

9,000(600)

7,650(510)

6,900(460)

6,300(420)

10,650(710)

9,300(620)

7,950(530)

7,200(480)

6,600(440)

 

 

 

7,500(500)

6,900(460)

 

 

 

7,800(520)

7,200(480)

 

 

 

8,100(540)

7,500(500)

 

 

 

8,400(560)

7,800(520)

10

 

 

 

8,700(580)

8,100(540)

11

 

 

 

9,000(600)

8,400(560)

12

 

 

 

9,300(620)

8,700(580)

13

 

 

 

9,600(640)

 

14

 

 

 

9,900(660)

 

15

 

 

 

10,200(680)

 


4.業績年俸の決定方法
 a.  会社の経営方針に基づく目標や、部門目標達成のための業務目標を担当役員と話し合って設定する。(半期ごと)
 b.  その際、その期待水準と達成のための難易度、そして各目標別のウエイトを明記し、上司・部下ともに確認しておく。
 c.  半年後、各目標の達成度合いとその難易度により、次のように評価し、さらに各目標の加重平均を取り、業績評価点を算出する。
 d. 業績評価点で順位付けし、下記分布規制により業績評価を決定する。

  業績評価換算表           (会社業績係数が1.0の場合)

 

分布規制  

業績年俸月数  

賞与月数(1回分)  

(S)  

上位から  5%

4ヶ月

3.5ヶ月

(A)  

15%

3ヶ月

3.0ヶ月

(B-上)  

20%

2.5ヶ月

2.75ヶ月

(B-中)  

20%  

2ヶ月

2.5ヶ月

(B-下)  

 20%

1.5ヶ月

2.25ヶ月

(C)  

下位から 20%

1ヶ月

2.0ヶ月

(D)  

 

0ヶ月

1.5ヶ月

    (C)の中で、極端な成績劣悪者は(D)とする。

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 13.コンピテンシーによる評価基準(例)

 
   

■ コアスキルの評価基準(例)  広告作成会社の例

1.計画性
 plan
・実行期間をあらかじめ決め、見直しのタイミングを逃さない
・意味もなく奇抜な企画を立てない
・一時的なものではなく、広がりのある企画(失敗しても次に生かす)を立てる
・仮説を検証できる幅広い外部ブレインを持つ
 do
・実行に必要な要素(人や技術)を手配する
 see
・失敗の原因を探る
・代案を提案できるように自分の引き出しを作っておく

2.情報の活用と共有化
 一般
・仕事の参考になるメールニュースやサイト・ソフトなどの情報をstaffメールで流す
・メールを流すときは自分の意見を伝える
・情報源の幅を広げる(雑誌などの媒体情報、人的リソース)
 コミュニケーションによる情報共有
・スタッフの興味・関心のあることを引き出す
・自分のスキルを具体的に効果的に伝える(社内発表会・勉強会)
 業務について・情報管理
・job情報、資料整理のルールを決める
・ネーミングルールをつくる
業務について・情報公開
・グループメールを活用し、情報を担当スタッフ全員に伝える
・ページ制作上の注意事項、クライアント情報を制作スタッフ全員に文書(紙・メール)で伝える
・クライアントの意見を公開する
・失敗を分析・公表する(コンぺの敗因、クライアントからのクレーム)

■ 専門スキルの評価基準(例) 電気回路設計会社の例

1.問題解決
・今できる最高レベルに達したらそこで区切りをつけていつまでも引きずらないようにしている
・壁に当たった時、長時間自分で考えず、知っていそうな人、考えられそうな人にすぐ相談している
・普段は社内・取引先の担当者に対して話をなるべく聞くなど協力的にして、いざという場合に便宜を図ってもらったりしている
・緊急事態の時に、上司に報告したり身近な人に相談したりして冷静に対応している
・確実に解決できる問題から解決するようにしている
・失敗した時や断られた時は、なぜかを分析し教訓としてレポートにして提出している
・問題を解決した後、そのノウハウを全社で共有できるようにしている
・ユーザーから与えられた仕様の中から、本当に求められている仕様を見出し、最適な解決策を提案している
・実験などで迷った場合、考えてばかりいずに方法を変えて実験を行っている
・問題解決手法を身につけトラブル解決に活用している
  (例えば、QC7つ道具、新QC7つ道具、信頼性7つ道具)

2.計画性
・1ヶ月の行動内容を細分化し月初までにスケジュール化している
・目標シートの記述に基づき、週1回スケジュールの見直しを行っている
・1日の仕事をリストアップし計画的に実行している
・仕事を段階的に分けスケジュールを立てて実行している
・自分のリズムを知り、仕事の順序・配分を考慮して取り組んでいる
・日ごろ回覧物や資料を机にほったらかしにせず2日以内に片付けている
・計画の遂行が困難になる前に、上司/同僚に状況を報告し、代替案を提案している
・プロジェクト開始時に基板あがりの日時、DRの時、実装上がりの日時、納期の日時、現地調整の日時などの詳細な工程表を作成している
・新たな仕事が入ることが予想できる場合、最低限必要な部品・ボードなどを事前に発注、もしくは他のGrに入手依頼している
・担当プロジェクトの進行におけるクリティカルパスを見つけ工程をフォローしている
・重要な打ち合わせの前に、出席者へ、議題や日時等を最低2日前に連絡し効率的に打ち合わせできるよう準備を行っている
・計画の遂行が困難になる前に、上司/同僚に状況を報告し、代替案を提案している

■ マネジメントスキルの評価基準(例) 住宅リフォーム会社の例

1.部下・後輩の指導育成
 ほめる
・部下・後輩が期待以上の成果を出した場合は、全員の前でほめるようにしている
 叱る
・部下・後輩が過ちを犯した場合、感情的に怒るのではなく、成長を願って注意している
・報連相の重要性を強調するだけでなく、これを守らない部下・後輩には厳しく叱っている
・能力向上のための話合いを月に1回以上持っている
・部下、後輩が建設的な疑問を抱えてやってくるときは、そのタイミングを逃さず個別に話し合っている
・研修会、資格の取得等、必要なものが受講できるように計画して、部下・後輩と話している
 指導のコツ
・部下、後輩の強み・弱みを見極めて、本人に適した指導の仕方や仕事の与え方をしている
・ピントはずれの行動を防ぐために、あらかじめ方向性を示すなど、手を打っている
・教育を効果的におこなうために『教えた部下・後輩に教えさせる』というやり方をしばしば使っている
・お客様からの苦情をケーススタディに利用して、部下後輩たちの仕事の質を高めようとしている
・部下、後輩からの些細な依頼や提案も、しっかり受け止めて対処している
・日々忙しい業務の中でも部下・後輩に問題意識・目標創出をもつように指導している
 任せる・登用する
・自分の補佐・代行をおこなわせ、さらなるレベルアップを体験させている
・部下、後輩には、常に新しい仕事やポストを提供するか、仕事の改善を要求している
・第一印象だけで判断せず、目立たない部下・後輩・アルバイトにも均等にチャンスを与えている
 指針を示す
・経営方針や施策に反する行動は『許さない』というキッパリした姿勢を部下に示している
・派閥的な言動は絶対に許さないようにしている

2.理念・方針の共有
 トップのコミュニケーション
・少なくとも1ヶ月に1回はじっくりと話す機会を持っている
・電話なども活用し、こまめに方針ややり方の確認を自分からおこなっている
 理念・方針の共有
・社長・部長があなた自身に強調したことを、そのままの表現で部下に伝えるのではなく、部下・後輩が行動しやすいような表現を自分で考えて伝えてい

コンピテンシー・マスター(潟^ジマ)の  マニュアルからの抜粋

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 14.能力考課の判定例

 
   

 職能資格制度において、能力考課は非常に大事なのですが、逆に判断しにくく、結局は年功的になってしまうということがよくあります。以下のような能力考課判定表を使うと、考課しやすくなりまた、育成ポイントを絞りやすくなります。

育成ポイント確認シート
(能力考課判定表)例

判断系

情報を比較・評価したり、統合・整理したりして、状況や条件に適合した仕事の手段・方法を決める能力。また、変化への適切な対応・処理が出来る能力。理解力がさらに発達した能力。理解力、判断力、決断力を含む。

下記の着眼点について、それぞれ次の基準で判定し点数を記入してください。

点数

判定基準

十分行っている。8割以上できている。

行っている方である。5割以上はできている。

十分ではないが行っている。5割未満であるができている。

ほとんど行っていない。たまに行うことがある。2割くらいはできている。

まったく行っていない。まったくできていない。

着眼点

 

着眼点の内容

自己

上司

任された仕事は他の関連や重要性まで理解し、上司の意図も汲み取って対応している。

 

 

文章の読取りや、話の聞き取りが早く、ポイントを正確に把握し仕事を進めている。

 

 

抽象的な方針や指示であっても、主旨を理解し具体的に仕事を進めている。

 

 

多少不確実な状況や情報不足であっても、よく計算された判断をし、仕事を進めている。

 

 

常に的確な状況把握がされており、仕事の優先順位や手段の選択はいつも適切である。

 

 

問題に直面しても、その現状や実態を冷静に分析し、真の原因を的確に把握し対処している。

 

 

緊急かつ難度の高い重要決裁事項についても、関連部署の調整も素早くし、明確に意思決定している。

 

 

決定に対する理由は論理的に説明でき、いつも部下から支持されている。

 

 

多少不確実な状況や情報不足であっても、将来を予測し、的確な決定ができる。

 

 

10

課題に対して、最適な対応策を取捨選択している。

 

 

 

合計

 

 

個別の点数により、育成ポイントを抽出し、合計点により人事考課を判定します。

評価判定表

点数

9等級

8等級

7等級

6等級

5等級

4等級

3等級

1・2等級

40

 

 

 

 

 

 

 

36以上

 

 

 

 

 

 

32以上

 

 

 

 

 

28以上

 

 

 

 

24以上

 

 

 

20以上

 

 

 

16以上

 

 

 

12以上

 

 

 

8以上

 

 

 

 

4以上

 

 

 

 

 

1以上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 15.新人事制度の例

 
   

  先日、社員数100人規模の会社で、結構斬新な人事制度を導入しましたので、その社内説明書を公開いたします。ぜひご参考にしてください。
パワーポイントで作っていますので、少し重いかもしれませんが、・・・・・・・。

 ある企業の新制度導入事例  

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