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トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  人事制度の基本 1

 
   

 1.人事制度の位置付け

 
   

  人事制度は業績向上と「働き甲斐のある職場を作る」ためのひとつの道具であると考えます。

企業の現状にあった制度を作ることが大切であり、人事制度だけが突出するようなことは逆効果である考えます。

痛みを伴う手術が必要か、予防でいいのか、体力の増強を図るのか、現状と将来展望、企業の要望に応じて最適の制度を構築いたします。

また、道具である以上、運用のための教育研修が不可欠であると考えます。

 
   

 2.現状と要望のマッチング

 
   

  賃金制度を見直す場合、自社の現状と将来への希望を勘案して見直す必要がある。下図を参考に検討していただきたい。 

現状

 
要望

現状、明確な制度なし年功制、積み上げ賃金

 

一応資格制度あるが、運用に問題があり結局は年功と変わらない。

能力主義人事制度が浸透している。

急激な変化は望まない。制度を整備し、能力主義を徐々に浸透させたい。

年齢給+職能給

評価制度の見直し

人事考課者訓練の徹底

急激な変化は望まないが、右肩上がりの賃金体系を見直したい。

基礎給+職能給
または
年齢給+職務給

年齢給の廃止

基礎給へ

年齢給の廃止

基礎給へ

急激な変化は望まないが、成果主義を導入しアップダウンのある賃金制度にしたい。

基礎給+職務給
+業績給

 

年齢給を廃止し、職能給を生活給として運用、職務給または業績給を新設する

年齢給を廃止し、職能給を生活給として運用、職務給または業績給を新設する

社員に活をいれ、能力主義を打ち出したい。評価による格差を大きくしたい。

職能給+業績給

職能給+業績給

職能給+業績給

社員に活をいれ、成果主義を徹底したい。

基礎給+業績給

(年俸制)

基礎給+業績給

(年俸制)

基礎給+業績給

(年俸制)

さらに実情と要望にあわせてアレンジすることが必要である。

1 年齢給
  年齢により上昇する賃金。高年齢帯で下降するように設定できるが、基本的には右肩上がり。
2 基礎給
  生活保障のための賃金。金額の上昇はない。 
3 職能給
  職務遂行能力によって上昇する賃金。何ができるかによって職能が決まるため、実際にやっている仕事と乖離することがある。基本的には右肩上がりの賃金。
洗い替え方式の採用で、アップダウンある賃金として運用できる。
職務グレードとの組み合わせで職務給的に運用することも可能。
4 職務給
  担当している職務により決定する賃金。仕事が変わらないと賃金も変わらない。仕事が変わると賃金も変わる。(下がることもある) 職群を設定し、その職群内で職能給的に運用することも可能。 
5 業績給
  担当職務とその遂行度合い(評価)によって決まる賃金。アップダウンがある賃金。
6 成績給
  洗い替え方式で成績に連動してアップダウンする賃金。業績給の前の段階で利用価値高い。

 その他、賞与との組み合わせを考える必要がある。 
なお、年齢給と基礎給以外はそれぞれの根拠や測定方法を明確にする必要がある。 
すなわち、能力や職務、業績の判断基準を示す必要がある。  

● もっと詳しく知りたい。実際の導入を検討したい方は → こちらへ

 

 
   

 3.人事制度全体のレイアウト

 
   

 人事制度の構築を考える場合、
賃金制度、評価制度、組織と役職、そして、資格制度について、考える必要があります。
まず全体像を想定し、それから、ここに具体的に進めていきます。導入の手順は下記の逆に!

1.賃金制度のレイアウト ⇒ 賃金構成をどうするのか?

 ・賃金の原則

 

 ・基本給と手当
 ・賞与
 ・退職金

2.評価制度のレイアウト ⇒ 何を評価するのか?  

 ・成果と成果を出すための能力、努力  

 ・評価基準の作成
 ・目標管理制度、職能要件書、コンピテンシー、など

3.組織と役職、資格制度のレイアウト ⇒ キャリアパスをどう考えるか?

 ・役職と処遇との分離
 
・役職の段階、役職定年制
 
・資格区分を何で行うか。職能と職務
 
・職群、職種、職掌による区分
 ・その他

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 4.資格制度のレイアウト構築

 
   

1.役職と処遇との分離

 ・役職は定員があり、組織の都合によって、ついたり離れたりということがある。
 ・したがって役職での処遇ではなく、役職以外のもの「社内的資格」で処遇する。
 ・役職は組織上必要な役職に限定し、人につく役職は廃止する。
 ・役職は権限、処遇は資格。役職に就いても処遇は変わらない、
    若干の役職手当が増える程度。

2.役職の段階

 ・組織上必要な役職だけとし、意味不明な役職はなくす。
 ・
役職の段階が多いと組織が「権限責任不明確症候群」に陥ってしまう。
 ・
役職はなるべくシンプルに!組織のフラット化をすすめる。
 ・
ただし、組織をフラット化すると一人の管理者が統率する部下の人数が増えるた
    め、それに見合った管理者の育成が必要となる。

3.役職定年制

 若手の育成を促進する意味で役職定年制を検討する。
 ・
役職定年制がなくても、役職は任命されるものであり、必要に応じて解任や交代は
    できるが、事前に公開することでそれぞれの自覚を促すことができる。

4.職群、職種、職掌による区分

 ・職種・・・その仕事の種類、部署と区分とほぼ一致する。営業、総務、プレスなど
 ・
職掌・・・よく似た職種のまとまり。技能職掌、事務職掌、企画管理職掌など
 ・
職群・・・職業観のちがい等による区分、または職務の類似性と管理区分の必要性
              からの区分.
一般職群、総合職群、地域限定社員など     

 5.資格区分

 ・職能資格制度と職務資格制度

職能資格制度

 

職務資格制度

社員一人一人の保有能力をベースとする

基本要件

企業から見た職務価値をベースとする

能力がベースとなるため、
発揮しなくても評価される

特徴

職務価値と業務の成果が評価される

能力が高まれば昇格する。
降格はない。
上位等級の者が多くなり、
ポスト不足となる

昇格

任用

組織が必要とする職務やポストには制限があり欠員がある場合昇格または任用する。
ポストがなくなれば離脱する。

習熟昇給と昇格昇給により昇給する。
右肩上がりとなる

賃金

定期昇給はない。
同一職務、同一賃金

上位等級者が簡単な仕事をしても高賃金を支給する。
同一職務で賃金格差が出る

問題点

簡単な仕事を担当すれば、賃金は低くなる。
職務異動で賃金が上下する。

若年者の多い場合に適する。

メリット

人件費の自動膨張がない。

  職種別採用、組織の都合による人事異動の有無
  社内公募制などによる本人の職種選択の余地

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 5.評価制度のレイアウト

 
   

1.評価制度の目的

 ・公正処遇に結びつける → 個人の努力や能力に見合った処遇 やる気につながる

 ・能力活用に結びつける → 人材の有効活用と働き甲斐

 ・能力開発に結びつける → 指導育成の前提条件/正しい治療をするためには、
               正しい診察が必要

2.評価制度のねらいと観点

 ・戦略を実現させる観点
  企業のあらゆる制度が「戦略実現」「経営計画実現」に向かっての整合性が必要で
  あり、経営戦略実現に具体的に役立つ「評価制度」であることが求められる。

 ・人材育成の観点
  
戦略を実行するのは社員ですから、社員の能力が向上する必要がある。
  社員が戦略実現に必要な能力向上に向けて努力する状況をつくる「評価制度」でな
  ければならない。具体的な目標が事前に明確に与えられて、努力する方向が示さ
  れ、動機付けられる制度でなければならない。

  しかも、目標をクリアしていけば、能力が向上していく制度でなければならない。

 ・選別・処遇の観点
  人事評価制度により高く評価された人に、我が社で働くことの魅力を感じさせる処
  遇が行われる制度でなければならない。
  ライン・スタッフ、事務職といったそれぞれの層に対しても、努力・成果が正しく
  評価される制度でなければならない。

 3.評価項目(要素)の選定

 ・適切な目標設定とその達成度合い(目標の事前評価と事後評価)
 ・
その目標を達成しうるであろう職務能力(知識と技能)
 ・
その目標を達成しようとする意欲(当事者意識)と組織での役割(部分最適より全
  体最適)

 ・
その目標達成のための合理的行動とその行動特性(コンピテンシー)

 4.評価基準の作成

 ・目標管理制度の導入と目標の事前評価基準、事後評価基準
 ・
職種別等級別職能要件書
 ・
情意考課の限界事例
 ・
職種別のコンピテンシーモデル

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