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  評価の基本6

 
   

 26.目標設定の留意点

 
   

・ 基本的前提  
 
1 その目標は本人をモチベートするか?
 2 その目標は組織に貢献するか?

・ 目標の条件
1 目標は上司の目標と結びついているか?  
 目標は全体目標や全体方針を助けるものであり、必ず上司の目標と結びついていることが必要です。部下本人の立場からいかに立派な目標をたてたつもりでいても、それが上司の目標(全体目標)と結びついていなかったり、方針に反するものであっては、企業の全体目標と結びついてきませんし、時には全体の目標体系を乱すことにもなりかねません。
 ですから、目標を設定するさいには、上司が自己の目標と方針をしっかりとさせておくことが大切です。

《目標設定の順序》  

目的(Purpose)=その組織が企業の中で存在し活動する理由、わけ。
        目標の上位概念。

目標(Goals) =その組織が目的を果たすために成し遂げなければならない事
        柄を明確にし、具体的に指標化し、一定の期限を定めたもの。
        上位の目標が下位の目的となる。

2 チャレンジングな目標であるか?(現状維持+αであるか)  
 目標は努力しなくても達成できるようなものでは、目標としての意味がありません。
 目標は、本人の能力よりやや高いものとし、本人が努力することによって達成できる。チャレンジングなものにすることが必要です。本人が「ちょっとキツイな」と思う程度が良い目標なのです。そうした目標であって初めて、本人がその達成に努力し、その過程での経験を通じて自己啓発し、能力を伸長するとともに、目標の達成という満足感と充実感を感じとることができます。
 また、一方、組織においても現状の延長線上にあるような目標では、大きな前進は望めません。組織が管理者に期待するのは、部下にチャレンジングな目標を持たせ、その実現のために部下を指導し、その過程で能力を開発することです。
 目標水準が低いと思われる部下には、全体目標と全体方針をよく説明し、チャレンジングな目標への修正を求めてください。

 3 達成可能な目標であるか?  
 目標は高ければ高いほど良いにこしたことはありませんが、それは、あくまでも「努力すれば達成できる」ものでなければ意味がありません。「目標管理」における目標は、掲げた以上は、絶対に達成するということで、各人が努力することに特徴があります。大切なことはただ「高い」ということではなく「努力して頑張れば達成できる」ということなのです。

4 目標は重点的なものを5つ程度とすること  
 目標を設定する場合に、目標の数が多すぎると、かえって成果があがらなくなります。
 目標を総花的にたてると、結局のところ、どれも中途半端だということになり、大きな成果が上がりません。どんな仕事でも必ず重点になるものがありはずです。この重点項目を選び出し、目標にすることが大切です。
 そして、5つ程度に絞った目標も重要度の順序にしたがって重みづけをおこない、重点指向をよりはっきりさせることも大切です。

5 長期目標と短期目標のバランスをとること(目先の目標に偏重しない)  
 目標には短期目標もあれば、長期目標もあります。短期目標は成果が早く得られ、メリットもはっきりするので目標としてたてやすいものです。しかし、組織の目的を達成するためには、長期目標を設定する必要があることも忘れてはなりません。
 目標を設定するさいには、目標の及ぼす影響を考え、長期と短期の目標のバランスをとることが重要です。

 6 共同目標の連携による効率的な目標達成への配慮  
 共同目標で連携をはかることも大切です。この場合にはその旨を明示すること。一つの目標が、一人の人間、一つの部門の努力で達成できるものばかりとは限りません。むしろ重要で大きな目標であるほど他の人や他の部門と共同しなければ達成できないはずです。従って、目標はこの場合、いく人か、またはいくつかの部門にわたる共同目標となります。
 共同目標を設定することは、主として管理者の職責ですから、管理者は部下からの要望があるなしにかかわらず、協力なリーダーシップを発揮しなければなりません。もちろん関係者が事前に協議して原案を決め、上司が最終的にこれを認めるという形もありえます。

 今後の組織活動では、セクショナリズムを排除し、個人間や部門間のカベを打ち破って、チームワークを組んで事を運ばなければ、効果が上がらない分野がますます増えています。
 共同目標は、こうした組織活動を推進するために、積極的に取り組む必要があります。共同目標は、『自己管理表』に「どの部門の誰との共同目標か」を記入します。

 7 資格等級と専門職ランクによる目標レベルへの配慮  
 部下の目標数値、課題の内容、水準は、同じ資格等級の社員でも専門職ランクが異なれば±αに異なるように設定します。
 また、同じ専門職ランクの社員でも資格等級が異なれば目標数値、課題の内容、水準は±αに異なるように設定します。 

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 27.個人目標の設定

 
   

1 部門目標の設定
 会社の経営方針、部門内からの要望、部門外からの要望等を勘案し、設定する。

2 職務編成(担当職務の見直し)
  1. 現状の業務分担の確認
  2. 部門目標達成のための新たな業務の確認
  3. 業務分担表の作成
  4. 面接(予備面接)により部下とのすりあわせ

3 部下個々人に対する期待と要望の提示
  1. 職務編成をふまえた上で、部下の目標設定のガイドラインを示す。(予備面接)
    「どの仕事をどの程度やってほしい」
  2. 部下にガイドラインを参考に個人別目標の作成をさせる。

4 部下の自己目標の確認(本面接)
  1. 達成水準の確認(後から計測できるように、なるべく数値化する)
  2. 目標の難易度の設定
    資格等級を参考に、同じ等級の他の人との比較も必要、
    その等級の標準者が通常の努力で達成可能な目標レベルを標準とする
  3. ウエイト付け
    目標達成のために要する時間とエネルギーを考慮して設定する。
  4. 目標達成のための対策案の話し合い
    部下の考え、上司のアドバイス
  5. 目標管理カードへの記入

5 実行計画の作成
  ・ 目標の中で長期間わたるものや難易度の高いもの、ウエイトの高いものについては、
   目標管理カード以外に実行計画を作成させる。

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 28.目標面接の進め方

 
   

1 目標面接
  1. 導入 …… 話しやすい雰囲気作り、確認事項、趣旨説明
  2. 部下が設定した目標の説明 …… 部下が説明する
    状況対応
     ・ 高すぎる目標
     ・ 上司の期待より低い目標
     ・ 部門方針とちがう目標
     ・ 上司が期待した目標が入っていない場合
     ・ 優先順位が明確でない場合
     ・ 目標の達成レベルや期限が明確でない場合
  3. 上司の期待を話す
  4. 達成方法や阻害要因を核にする
  5. 上司の支援策を明確にする
  6. 結び

 中間面接のタイミング
  1. 達成活動が計画よりかなり早く進んでいる時
  2. 達成活動が計画より遅れている時
  3. このままでは目標達成が無理と思われる時
  4. 目標達成に対して実施活動がズレている時
  5. 仕事上の問題が生じた時
  6. 部下の態度・行動に問題が認められた時

 評価・育成面接
  1. 導入 …… ねぎらいの言葉、目標の確認
  2. 目標達成度について部下自身の評価の説明
     ・ 達成できた目標について …… 成功要因を明確にする
     ・ 達成できなかった目標について …… 問題点の確認
     ・ 上司評価とちがう場合 …… 自己評価の理由を詳しく聞く
  3. 上司の評価を話す
  4. 成功要因と今後の問題点を明確にし,次回への課題とする。

 面接の留意点
  1. 必要資料の準備
  2. 日時・場所の設定 ・ 面接時間 ・ 座り方
  3. 部下を迎え入れる ・ 要点の確認
  4. 部下が話しをするようにしむける ・ 聞く姿勢
    問いかけ…肯定法・自由法・否定法・選択法・誘導法・全体質問・個別質問
  5. 上司の意見を述べる
    事実に基づく・簡潔明瞭・復唱させる・否定的な言い方はしない
    人間性について言わない・提案する形で・理由をはっきり・確認しながら
  6. 将来についての希望を聞く ・ 部下の将来の希望についての意見を述べる
  7. 今後の指導、自己啓発の方法について話し合う
  8. 話し合った内容の確認
  9. エンディング

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 29.達成度評価の仕方

 
   

1 達成度評価における大原則
 達成度評価における大原則は、中間項の状況にかかわらず、「結果をありのままにみる」です。
あくまでも、最初に決めた達成基準に対して、どうであったかを判断することであり,途中のラッキーやアンラッキー、努力したとか、頑張ったなどは考慮しません。
 したがって、中間項の状況(途中のラッキーやアンラッキー)によって、ある程度偶然性をもつことになります。

2 達成度評価における留意点
  1. 途中の状況変化に影響されないような指標を選ぶ。
  2. ある程度予測される環境変化を見込んで、目標設定する。
  3. 予測の立たないものについては、いくつかのシナリオを設定する。
  4. 目標の変更があるときは、中間面接ではっきりさせる。
    (今までの目標の清算と新しい目標のウエイトなど)
  5. 達成基準を明確にし、あとから計測できるように表現する。
    (計測できれば、上司部下の評価にズレは生じない。)

 達成度評価の流れ
  1. 目標設定と確認
   目標面接で目標を設定し、その到達水準と難易度(等級と比較して1ランク以上高いか低いか)、そして各目標別のウエイトを明記し、上司・部下ともに確認する。
  2. 各目標ごとに[ありのままの評価]をする。
  3. 目標の難易度を加味して修正する。
  4. 加重平均する。

 

達成度

 

期待以上 

期待通り

期待以下

業務支障

高い目標 (職務)

B 

標準目標(職務)

A 

B 

C 

低い目標(職務)

B 

C 

 D

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 30.目標管理の評価方法

 
   

1 評価の手順
  1. 目標設定時
    ・ それぞれの目標のウエイトを決める。
    ・ それぞれの目標の難易度を決める。
  2. 目標評価時
    ・ それぞれの目標の達成度を決める。
    ・ それぞれの目標の評価を行う。
    ・ 総合評価を行う。

2 目標のウエイト
 目標の優先順位を明らかにするとともに、各目標の評価と総合評価のバランスをとる。
 目標の重要度と目標達成にかける時間割合など、上司と話し合って決める。

 目標の難易度
 職能要件書などを参考に、本人の職位や等級に応じたレベルが標準となる。

4 目標の達成度
 具体的な達成基準を設けて、事実を評価する。
 あくまでも成果に着目し,「時間をかけた」「頑張った」ということは考慮しない。

5 目標の評価
 それぞれの目標について、難易度と達成度の組み合わせにより、評価する。

 総合評価
 各目標の評価とウエイトにより判断する。
 各目標の評価点とウエイトを掛け合わせ、それらの値の合計点によって判断する。

7 加重平均の仕方
 算出の仕方は、各目標の成績評価のSABCDを54321に数値化して、
 事前に決めたウエイトを掛け算し、それらの合計を出します。
 その合計点により、総合判定します。総合判定の基準は別途作成します。

ウェイト

評価

点数

計算

目標1

40%

A

4×40%=1.6

目標2

30%

B

3×30%=0.9

目標3

20%

2×20%=0.4

目標4

10%

B 

3×10%=0.3

合計

100%

 

 

3.2

 上の例では「3.2」が加重平均値になります。
 点数をそのまま使うケースもありますし、下記のような換算表で評語にして使用する場合もあります。

評語

点数 

4.0超過

3.5以上

2.6超過

2.0以上

2.0未満

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