・ 基本的前提
1 その目標は本人をモチベートするか?
2 その目標は組織に貢献するか?
・ 目標の条件
1 目標は上司の目標と結びついているか?
目標は全体目標や全体方針を助けるものであり、必ず上司の目標と結びついていることが必要です。部下本人の立場からいかに立派な目標をたてたつもりでいても、それが上司の目標(全体目標)と結びついていなかったり、方針に反するものであっては、企業の全体目標と結びついてきませんし、時には全体の目標体系を乱すことにもなりかねません。
ですから、目標を設定するさいには、上司が自己の目標と方針をしっかりとさせておくことが大切です。
《目標設定の順序》
目的(Purpose)=その組織が企業の中で存在し活動する理由、わけ。
目標の上位概念。
目標(Goals)
=その組織が目的を果たすために成し遂げなければならない事
柄を明確にし、具体的に指標化し、一定の期限を定めたもの。
上位の目標が下位の目的となる。
2 チャレンジングな目標であるか?(現状維持+αであるか)
目標は努力しなくても達成できるようなものでは、目標としての意味がありません。
目標は、本人の能力よりやや高いものとし、本人が努力することによって達成できる。チャレンジングなものにすることが必要です。本人が「ちょっとキツイな」と思う程度が良い目標なのです。そうした目標であって初めて、本人がその達成に努力し、その過程での経験を通じて自己啓発し、能力を伸長するとともに、目標の達成という満足感と充実感を感じとることができます。
また、一方、組織においても現状の延長線上にあるような目標では、大きな前進は望めません。組織が管理者に期待するのは、部下にチャレンジングな目標を持たせ、その実現のために部下を指導し、その過程で能力を開発することです。
目標水準が低いと思われる部下には、全体目標と全体方針をよく説明し、チャレンジングな目標への修正を求めてください。
3 達成可能な目標であるか?
目標は高ければ高いほど良いにこしたことはありませんが、それは、あくまでも「努力すれば達成できる」ものでなければ意味がありません。「目標管理」における目標は、掲げた以上は、絶対に達成するということで、各人が努力することに特徴があります。大切なことはただ「高い」ということではなく「努力して頑張れば達成できる」ということなのです。
4 目標は重点的なものを5つ程度とすること
目標を設定する場合に、目標の数が多すぎると、かえって成果があがらなくなります。
目標を総花的にたてると、結局のところ、どれも中途半端だということになり、大きな成果が上がりません。どんな仕事でも必ず重点になるものがありはずです。この重点項目を選び出し、目標にすることが大切です。
そして、5つ程度に絞った目標も重要度の順序にしたがって重みづけをおこない、重点指向をよりはっきりさせることも大切です。
5 長期目標と短期目標のバランスをとること(目先の目標に偏重しない)
目標には短期目標もあれば、長期目標もあります。短期目標は成果が早く得られ、メリットもはっきりするので目標としてたてやすいものです。しかし、組織の目的を達成するためには、長期目標を設定する必要があることも忘れてはなりません。
目標を設定するさいには、目標の及ぼす影響を考え、長期と短期の目標のバランスをとることが重要です。
6 共同目標の連携による効率的な目標達成への配慮
共同目標で連携をはかることも大切です。この場合にはその旨を明示すること。一つの目標が、一人の人間、一つの部門の努力で達成できるものばかりとは限りません。むしろ重要で大きな目標であるほど他の人や他の部門と共同しなければ達成できないはずです。従って、目標はこの場合、いく人か、またはいくつかの部門にわたる共同目標となります。
共同目標を設定することは、主として管理者の職責ですから、管理者は部下からの要望があるなしにかかわらず、協力なリーダーシップを発揮しなければなりません。もちろん関係者が事前に協議して原案を決め、上司が最終的にこれを認めるという形もありえます。
今後の組織活動では、セクショナリズムを排除し、個人間や部門間のカベを打ち破って、チームワークを組んで事を運ばなければ、効果が上がらない分野がますます増えています。
共同目標は、こうした組織活動を推進するために、積極的に取り組む必要があります。共同目標は、『自己管理表』に「どの部門の誰との共同目標か」を記入します。
7 資格等級と専門職ランクによる目標レベルへの配慮
部下の目標数値、課題の内容、水準は、同じ資格等級の社員でも専門職ランクが異なれば±αに異なるように設定します。
また、同じ専門職ランクの社員でも資格等級が異なれば目標数値、課題の内容、水準は±αに異なるように設定します。
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