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  評価の基本1

 
   

 1.人事考課のねらい

 
   

 企業の発展の大きな要因に社員の活性化が上げられます。
そのためには、社員一人ひとりの能力を活用し存在感を高め、能力開発により希望を与え、納得性のある公正処遇によって充実感・満足感をわかちあえることが不可欠です。

そして、それらの基礎となるのが、公平な評価であり、評価者個人の価値観でなく、一定のルールに則った人事考課です。
人事考課が公平に出来れば、部下の能力把握が的確になり、活用や育成が効果的にできます。
また、公正処遇によりやる気が高まり、納得性があるため相互信頼にも結びついていくわけです。

 
   

 2.これからの人事考課

 
   

 これからの人事考課は育成を重視し、絶対考課で行う必要があります。
すなわち、基準に照らし合わせ、一人ひとりの行動を観察し、その人のどこが優れ、どこが劣っているかを分析的に評価していくことです。
 人事考課を「仕事をする能力や勤務態度、仕事の結果」に関する健康診断と考えるとわかりやすいでしょう。普通の健康診断も基準に照らし合わせて良い悪いの判定をします。
決して他人と比較して判定しません。そして、その診断結果を教えてもらって、自分なりに健康を保つように努力するわけです。
 人事考課も同じように、他人と比較するのではなく、あらかじめ決められた基準と比較し、その結果をフィードバックすることで、本人の自己能力開発意欲を刺激し、会社・上司と一体になり育成に生かすことが出来るのです。

 今までの人事考課とこれからの人事考課の比較表

 

今までの人事考課

これからの人事考課

基本的考え方

差をつけて選別しよう。

差を無くしてみんなを伸ばそう。

目的

差別化、選別化。

公正処遇、能力開発、能力活用。

ものさし

なし、相対考課。(部下同士比較する)

基準あり、絶対考課。(基準と比較する)

考課力

なし、個人の価値観で行いバラバラ。

考課者訓練で基準とルール確認を行う。

結果と影響

間違いだらけで、納得性なし。
相互不信、モラール低下。

納得性があり。
相互信頼、モラール向上。

公開性

マル秘。

考課ルール、基準を公開。
結果は本人にフィードバック。

 

 
   

 3.人物評価と職能評価

 
   

 社員一人ひとりの育成、活用や組織の活性化に向けていく能力とは各人に本来備わった能力(不変的なもの)をさすのではなく、仕事に求められる能力(努力次第で向上するもの)をさします。
これを職務遂行能力(職能)といいますが、これからの人事考課で対象になるのは、この職務遂行能力であり、性格とか人柄などではありません。

 そして、この職務遂行能力は、仕事上で発揮された行動事実によって評価することが出来るのです。

 

 
   

 4.人事考課にのぞむ姿勢

 
   

 人事考課を公正の行うためには、「だれが良いだれが悪いでなく、この人材(部下)のどこが優れているか、どこが不十分なのかを厳しく見つめ、なんとしても育成していく気持ち。」が大切であり、そのためには、
 1.基準を明確にする、2.事実に基づく、3.考課ルールを守る
ことが不可欠です。

 不信をまねく人事考課

  1. 好き嫌いや、先入観で評価する。

  2. イメージや想像で評価する。

  3. 仕事以外のことまで、評価の対象にいれる。

  4. 部下同士比較をして、優劣を決める。

  5. 考課者の経験や価値観だけで評価する。

  6. 評価結果をマル秘にする。

  7. 評価基準を明らかにせず、評価する。

 

 公正で納得性のある人事考課

  1. 客観的基準をもうけ、公開する。

  2. 基準と照らしあわせる絶対考課で行う。

  3. 事実に基づいて考課する。

  4. 仕事上の行動のみを対象にする。

  5. 考課結果は本人にフィードバックする。

 

 
   

 5.職務遂行能力とは?

 
   

 仕事で求められる能力すなわち職務遂行能力とは、どのような要素から成り立っているのでしょうか。 
 例えば、スポーツでサッカーをする場合を考えてみましょう。 
 サッカーをするためにはサッカーとは何か、どのようなゲームで、どんなルールであるかを知っていなければなりません。まず、知識が必要です。
 しかし、いくら知識があっても、ボールを前へ蹴る技能がなかったらゲームは出来ません。それに、試合を続けるだけの体力も必要です。少なくても、知識、技能、体力があればゲームは出来ます。この知識、技能、体力を基本的修得能力といいます。

 しかし、よいゲームをするためには、それだけでは不足です。どこにパスを出せばよいかとか、どんな作戦で攻めようとか、その場に応じた的確な判断が必要になってきます。この判断は知識というよりは経験を積むことによって、レベルアップしていくものです。
 このように、経験によりレベルアップしていく能力を精神的習熟能力といい、判断力のほかに、企画力折衝力指導力などがあります。
 また、基本的修得能力と精神的習熟能力を保有能力といいますが、この保有能力が高ければいつも試合に勝てる、とは限りません。

 やはり、頑張ろうという意欲がなかったら、せっかくの能力も発揮されず、よい結果にはつながりません。
 このような保有能力を最大限に発揮しようとする気持ちなどを発揮能力といい、規律性責任性協調性積極性がなどあります。

 仕事についても、全く同じことがいえます。どんな仕事をするにしても、その仕事に関する知識、技能、そして、その仕事に耐えうる体力が絶対必要ですし、仕事の状況に応じた判断力や企画力も必要です。もちろん、頑張ろうという意欲も不可欠です。

 職務遂行能力というのは、このようにさまざまな要素を含んだ概念であり、一つの尺度で計ることは非常に困難です。
そこで、その尺度を「結果」「プロセス」「原因」の3つに分け、3方向から見るようにします。 したがって、人事考課の項目もその3つの尺度に合わせて、3つの大項目に分けて、多面的に行います。

 通常、3つの大項目を「成績考課」「情意(勤務態度)考課」「能力考課」としています。そして、これは、「常に腕を磨き(能力)、一生懸命に働いて(情意)、高い成果をあげて(成績)欲しい」という、期待し求める社員像にも適合しているわけです。

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