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      賃金制度の基本 2  
    6.諸手当の意義  
     多くの企業で、さまざまな名称の手当が支給されています。例えば、家族手当、住宅手当、役付手当、残業手当などです。毎月支払われている諸手当の合計金額は、平均すると、月例給与の2割を占めているといわれます。

 このように多くの手当が存在する理由は次のように考えられます。
  @ これまでの基本給の決定のしくみが明確でなく、その都度の必要に応じて、新設した。
  A 基本給の改定や引き下げは難しいが、諸手当については改定・廃止が比較的容易である。
  B 支給対象を絞った支給ができる。(特定職務など)
  C 支給対象を絞った支給ができる。(家族手当など)

 また、多くの手当をその目的に応じて分類しますと次のようになります。
 @ 基本給の補完の役割を果たす手当
 A 基本給の弾力化を図る役割の手当(残業手当、休日出勤手当など)
 B 人事管理上の効果を狙った手当(精皆勤手当、資格手当、単身赴任手当など)
 C 社員の生活費への配慮を効果的に行うための手当(家族手当、住宅手当など)

 諸手当の設計を考える場合必要なことは、「一度付けたらはずせないような手当は作らない」ということであり、「手当の支給根拠を明確にして、該当すれば支給する、該当しなければ支給しない」ということです。

 

 
    7.職務関連手当  
     職務関連手当には、色々ありますが主なものは次の通りです。

・ 役職手当(役付手当)
 役職手当とは、管理・監督ないしこれに準ずる職制上の責任に対して支給される賃金のことを指します。具体的には、部長手当、課長手当、主任手当などがあります。管理職の場合は残業手当に見合う分として基本給の15%、それに部下との付き合いにかかる実費弁済分として5%、合計で基本給の20%くらいが目安となります。

・  職務手当
  特別な職務を担当する場合に支給する手当です。灼熱手当、塗装手当、危険手当などがあります。

・ 営業・外勤手当
 営業・外勤手当は、営業活動を行う社員に対する賃金です。営業手当の支給理由は外勤職務に従事することで必要となる金銭的負担(例えば靴代)への配慮です。
これに、営業業務に対する奨励という意味で金額を上乗せする企業もあります。
 さらに、一定時間の残業をおこなったものとみなして、それに相当する金額を営業手当に含める場合もあります。

 

 
    8.生活関連手当  
    ・ 家族手当
 家族手当とは、社員の生計費を補完するために支給される賃金であり、通常、扶養家族の人数によって金額を決めています。
これは、家族を抱えて生活費のかかる社員が安心して仕事に打ち込めるようにという意味があります。支給基準で多いのは、税法上の控除対象配偶者と18歳までの子供です。

・ 住宅手当
 住宅手当は家族手当と同じように生計費を配慮した手当です。
しかし、家族手当と違って明確な支給基準(支給根拠)がない場合が多いので一度見直す必要があります。
例、持ち家と借家で金額が違うのはなぜ?世帯主と世帯主でない場合との違いはなぜ?

・ 地域手当(物価調整手当)
 地域手当とは、地域間で物価水準よって必要生活費は異なるということを配慮した賃金です。

 

 
    9.人事関連手当  
    ・ 精皆勤手当
 精皆勤手当とは、出勤促進の狙いをもった手当です。しかい、最近は有給休暇を利用してほとんどの人が皆勤になっているようで、精皆勤手当の必要性はそれほどありません。特別に事情がなければ、縮小・廃止するのがよいでしょう。

・ 資格手当・技術手当
 資格手当とは、職務に役立つ公的資格を保有している者に支給する手当です。
公的資格を持っていることに価値があるのか、それを使って仕事をすることに価値があるのかによって違ってきます。
 前者の場合は資格手当に意味がありますが、後者の場合は資格手当ではなく、昇格条件などに組み込んで、実際の仕事内容により賃金を決めるほうが合理的です。資格取得を奨励したいのであれば、手当でなく一時金などで対応する方法もあります。

・通勤手当
 通勤手当とは、通勤にかかる費用の一部または全部を企業が負担するための手当です。一定限度額としては、税法上の非課税限度額を利用する企業が一般的です。

人事関連手当とはちょっとちがうかもしれませんが、「所定外労働手当」というのもあります。

・所定外労働手当
 所定外労働手当は、所定内労働時間を超えて労働した場合に支払われる手当です。
休日出勤や深夜労働に対して支払われる休日出勤手当や深夜労働手当も含みます。
労働基準法により必ず支払わなければならない手当です。
1時間当たり賃金の算出に当たり、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当を差し引いてもよいとされています。

 

 
    10.賞与の意義  
     今までは「賃金の後払い、生計費の補填」の意味合いが強かったのですが、最近は利益配分・成果配分という意味合いが強くなってきています。

 また、月例賃金は、「大幅に上げたり下げたりすることが、しにくい。月例賃金は、生活給的な部分があり、能力や業績をストレートに反映できない。」という面がありますが、賞与は、生活給的な部分が若干あるにしても、月例賃金ほど制約はなく変動性があり、今後ますます賞与のウエートは高まっていくでしょう。

 賞与制度を設計する場合、賞与総原資をどのように算出するかという点と、その総原資をどの王に配分するかという点を明確にする必要があります。

 賞与総原資の算出には、企業の業績(利益や付加価値など)と連動した成果配分方式が多くなってきています。これは、一定期間において、企業が上げた業績の一部を、貢献の度合いに応じて社員に配分する(決算賞与や通常賞与に上乗せする)、あるいは、賞与総原資とするという方式で、事前に基準と割合を社員に明示することが必要です。
 また、また、経営数字についても、社員に対してガラス張りにしないと、信頼を得られないことになります。
 成果配分の方式には 売上高基準、付加価値基準、営業利益基準、経常利益基準 などがあります。

 また、個人への配分については、人事考課により格差をつけるものの、基礎給として基本給をベースにした場合と、基本給に関係なく等級や役職をベースにした場合では、配分がまったく変わってきます。基本給に連動させるのかどうかも、賞与設計の重要なポイントです。

 

 
    11.業績連動型賞与  
    1.成果配分方式で考える

 一定期間において、企業が上げた業績の一部を、貢献の度合いに応じて社員に配分する(賞与に上乗せする)、あるいは、賞与総原資とするという方式で考える。  事前に基準と割合を社員に明示することが必要である。  また、経営数字についても、社員に対してガラス張りにしないと、信頼を得られない。

2.いろいろな成果配分方式

●  売上高基準

 (当期売上高×平均売上高対人件費率−当期既払人件費)×一定率=賞与総原資  (実際の売上高−予算売上高)×一定率=通常賞与に加算する額

例 従業員50人のA社  (実際の売上高−予算売上高)×3%=通常賞与に加算する額  売上予算30億円に対して実際の売上32億円  600万円が賞与追加原資(一人当たり12万円上乗せ)  売上予算は前期末に売上計画を作成し、労使で合意

● 付加価値基準

 当期付加価値×平均(標準)労働分配率−当期既払人件費=賞与総原資

例 従業員100人のB社  今期売上高40億円、付加価値率25%、平均労働分配率44%の場合  一人当たりの平均賃金年間320万円  40億×25%×44%−(320万×100人)=1.2億円 2億÷100人=120万円=一人当たりの平均賞与支給額  上記式で、当期既払人件費に最低保証の賞与分も含めば   当期付加価値×平均(標準)労働分配率−当期既払人件費=成果配分額

● 営業利益基準

 6カ月間の営業利益×一定配分率=6カ月間の成果配分額

● 経常利益基準

 当期経常利益×(1−税率)×一定配分率(1/3)=当期の成果配分額  当期経常利益×一定配分率(1/4)=当期の成果配分額

 

 

 
    12.慶弔規程  
     従業員の父母等がお亡くなりになった場合、お見舞い金を出すと思いますが、どの程度までお見舞い金を出すのでしょうか。範囲(一親等まで、二親等まで、など)と金額、および花輪を出すのか否かをお教えください。

 会社によって色々ありますが、上場企業の例と中小企業(50人規模)の例をお知らせしますので 参考にしてください。

● 上場企業の場合

結婚祝金
 
1.勤続1ヵ年以上5年未満     20,000円
 2.勤続5年以上          30,000円

出産祝
 子1人につき    3,000円の出産祝金を支給する。

弔慰金
 1. 本人 勤続10年未満        30,000円
        勤続10年以上        50,000円
 2. 配偶者               15,000円
 3. 父、母、子(養子の実父母を含む)  10,000円

花輪
 1. 本人死亡           花輪と生花各1個(時価)  
 2. 配偶者、子、父母(配偶者の父母を含む)が死亡  花輪と生花各1個(時価)

● 中小企業の場合

結婚祝金
 1. 勤続3年未満の者     20,000円
 2. 勤続3年以上の者     30,000円

出産祝い
 子1人につき  10,000円を贈る。ただし、入社後3ケ月未満の者には支給しない。

弔慰金
 1. 本人(業務上及び通勤災害の場合 基本給の1ケ月分
 2. 本人(上記によらない場合) 基本の 0.5ケ月分
 3. 配偶者の場合
    A.課長以上、及び勤続25年以上の者  100,000円
    B.指導員以上、及び勤続15年以上の者 70,000円
    C.その他の社員      50,000円
 4. 子女の場合        30,000円
 5.  父母(又は義父母)    50,000円
 6. 祖父母で同居している者  20,000円
 7. 配偶者の父母       20,000円
 8. 記各号には、花環及び弔電を贈る。
 9. 実祖父母         10,000円
10. 勤続三ケ月未満のものは香典のみ 10,000円