■ 賃金制度の基本 2 | |||
6.諸手当の意義 | |||
多くの企業で、さまざまな名称の手当が支給されています。例えば、家族手当、住宅手当、役付手当、残業手当などです。毎月支払われている諸手当の合計金額は、平均すると、月例給与の2割を占めているといわれます。
このように多くの手当が存在する理由は次のように考えられます。 また、多くの手当をその目的に応じて分類しますと次のようになります。
諸手当の設計を考える場合必要なことは、「一度付けたらはずせないような手当は作らない」ということであり、「手当の支給根拠を明確にして、該当すれば支給する、該当しなければ支給しない」ということです。
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7.職務関連手当 | |||
職務関連手当には、色々ありますが主なものは次の通りです。
・ 役職手当(役付手当) ・ 職務手当 ・ 営業・外勤手当
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8.生活関連手当 | |||
・ 家族手当 家族手当とは、社員の生計費を補完するために支給される賃金であり、通常、扶養家族の人数によって金額を決めています。 これは、家族を抱えて生活費のかかる社員が安心して仕事に打ち込めるようにという意味があります。支給基準で多いのは、税法上の控除対象配偶者と18歳までの子供です。 ・ 住宅手当 ・ 地域手当(物価調整手当)
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9.人事関連手当 | |||
・ 精皆勤手当 精皆勤手当とは、出勤促進の狙いをもった手当です。しかい、最近は有給休暇を利用してほとんどの人が皆勤になっているようで、精皆勤手当の必要性はそれほどありません。特別に事情がなければ、縮小・廃止するのがよいでしょう。 ・ 資格手当・技術手当 ・通勤手当 人事関連手当とはちょっとちがうかもしれませんが、「所定外労働手当」というのもあります。 ・所定外労働手当
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10.賞与の意義 | |||
今までは「賃金の後払い、生計費の補填」の意味合いが強かったのですが、最近は利益配分・成果配分という意味合いが強くなってきています。
また、月例賃金は、「大幅に上げたり下げたりすることが、しにくい。月例賃金は、生活給的な部分があり、能力や業績をストレートに反映できない。」という面がありますが、賞与は、生活給的な部分が若干あるにしても、月例賃金ほど制約はなく変動性があり、今後ますます賞与のウエートは高まっていくでしょう。 賞与制度を設計する場合、賞与総原資をどのように算出するかという点と、その総原資をどの王に配分するかという点を明確にする必要があります。 賞与総原資の算出には、企業の業績(利益や付加価値など)と連動した成果配分方式が多くなってきています。これは、一定期間において、企業が上げた業績の一部を、貢献の度合いに応じて社員に配分する(決算賞与や通常賞与に上乗せする)、あるいは、賞与総原資とするという方式で、事前に基準と割合を社員に明示することが必要です。 また、個人への配分については、人事考課により格差をつけるものの、基礎給として基本給をベースにした場合と、基本給に関係なく等級や役職をベースにした場合では、配分がまったく変わってきます。基本給に連動させるのかどうかも、賞与設計の重要なポイントです。
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11.業績連動型賞与 | |||
1.成果配分方式で考える
一定期間において、企業が上げた業績の一部を、貢献の度合いに応じて社員に配分する(賞与に上乗せする)、あるいは、賞与総原資とするという方式で考える。 事前に基準と割合を社員に明示することが必要である。 また、経営数字についても、社員に対してガラス張りにしないと、信頼を得られない。 2.いろいろな成果配分方式 ● 売上高基準 (当期売上高×平均売上高対人件費率−当期既払人件費)×一定率=賞与総原資 (実際の売上高−予算売上高)×一定率=通常賞与に加算する額 例 従業員50人のA社 (実際の売上高−予算売上高)×3%=通常賞与に加算する額 売上予算30億円に対して実際の売上32億円 600万円が賞与追加原資(一人当たり12万円上乗せ) 売上予算は前期末に売上計画を作成し、労使で合意 ● 付加価値基準 当期付加価値×平均(標準)労働分配率−当期既払人件費=賞与総原資 例 従業員100人のB社 今期売上高40億円、付加価値率25%、平均労働分配率44%の場合 一人当たりの平均賃金年間320万円 40億×25%×44%−(320万×100人)=1.2億円 2億÷100人=120万円=一人当たりの平均賞与支給額 上記式で、当期既払人件費に最低保証の賞与分も含めば 当期付加価値×平均(標準)労働分配率−当期既払人件費=成果配分額 ● 営業利益基準 6カ月間の営業利益×一定配分率=6カ月間の成果配分額 ● 経常利益基準 当期経常利益×(1−税率)×一定配分率(1/3)=当期の成果配分額 当期経常利益×一定配分率(1/4)=当期の成果配分額
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12.慶弔規程 | |||
従業員の父母等がお亡くなりになった場合、お見舞い金を出すと思いますが、どの程度までお見舞い金を出すのでしょうか。範囲(一親等まで、二親等まで、など)と金額、および花輪を出すのか否かをお教えください。
会社によって色々ありますが、上場企業の例と中小企業(50人規模)の例をお知らせしますので 参考にしてください。 ● 上場企業の場合 結婚祝金 出産祝 弔慰金 花輪 ● 中小企業の場合 結婚祝金 出産祝い 弔慰金
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