松本人志

　■　松本人志さんの人事考課　（考課日：2000/6/30）

　１．考課対象

　日本テレビ「伝説の教師」ドラマ出演

　２．主な行動事実

　日本テレビ「伝説の教師」に出演し中居まさひろと共演。
最終回のテレビ視聴率21.4％、この週のドラマ部門２位。（１位はNHK私の青空）
松本本人は「ドラマに出ない」と宣言していた。

　３．人事考課の考え方

１．成績考課
　職務基準をテレビ視聴率を上げる、ファン層を拡大する、芸の幅を広げると考えれば、
　視聴率については、そこそこの数字を挙げ最終回はNHKについで、週間２位という好成績であるが、起用した時点でこれくらいの数字は見込んでおり期待通りＢとする。
　ファン層の拡大については、ドラマストーリーの関係からかこれまでの玄人筋だけでなく、ちびっこファンも得ることができ期待以上Ａと評価する。
　芸の幅を広げるについては、今までの芸風を壊さないような役どころであり、今までの芸風の範囲内での内容であったので期待通りＢとする。

２．情意考課
　「ドラマに出ない」と宣言していながら、ドラマ出演した件に関して、「約束を守らない」で規律性Ｃとつけたいところであるが、状況が変われば、当然方針も変わるわけで、前言を翻してでも成果に結びつくように行動したという点から、責任性をＡとする。
　協調性に関しては、同僚の最終回出演を前半の収録時から進言していたという点で、Ａと評価できる。
　規律性はタバコの投げ捨てをするシーンが何度もあり、いくら役柄といっても社会に与える影響があまりよくなく、また、タバコの投げ捨てという方法以外でもその心境を表現できる技術を持ちながら、監督のいうとおりにしてしまったという点でＣと判定せざるを得ない。

３．能力考課
　技術技能に関しては、専門分野以外の仕事である点を考えると、特に問題なく、期待通りBと判断できる。
　判断力に関しては、「ドラマに出ない」といいながら、ドラマ出演することで話題性を高める、ドラマに出演する自分の価値を高めるなど、多大な効果があり文句なくＡと判断できる。
　また、ドラマのストーリーや役どころなど、日ごろのイメージを壊すことなく無難に対応している点、またそのような工夫を要望しまた実行した点から、企画力もＡと判断する。
　折衝力は時々他ではできない言い回しがあり、Ａと評価したいところであるが、しゃべりのプロとしては期待通りＢと判断した。

４．ウエイト
　ウエイトは仕事上、結果や見た人の印象が大きいと考え、成績60％、情意20％、能力20％とする。

５．結果
　総合評価67点｛申し分ないＡ」となる。

　４．人事考課の結果

考課項目・要素	評語	ウエイト
成績考課・視聴率	Ｂ	20％
成績考課・ファン拡大	Ａ	20％
成績考課・芸の幅	Ｂ	20％
情意考課・規律性	Ｃ	5％
情意考課・責任性	Ａ	5％
情意考課・協調性	Ａ	5％
情意考課・積極性	Ｂ	5％
能力考課・知識技能	Ｂ	5％
能力評価・判断力	Ａ	5％
能力評価・企画力	Ａ	5％
能力評価・折衝力	Ｂ	5％
総合評価	Ａ	67点

　５．補足説明

　「ドラマに出ない」といってドラマに出演した点をプラスに評価するか、マイナスに評価するかがポイントである。
　誰だって自分の言ったことは守りたいしプライドもある。しかし、成果を出すためには、自分のプライドを捨ててでも、前言を翻す勇気が必要である。仕事である以上、個人のプライドや信念より、成果を出すことのほうが優先される。
　以前、ある政治家が「悪魔にひれ伏してでも」と前言を翻して、その悪魔と手を結んだことがあったが、その目的のよしあしは別にして、目標達成のために自分のプライドを捨てるということは、プロとして当然の行動であるいえる。
　逆に、自分の過去の発言にとらわれて、効果的な手を打たず、ズルズルと悪いほうに進んでいくことのほうがずっと悪である。