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トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

      田中康夫長野県前知事 (考課日:2002/8/1)  
     1.考課対象  
   

 知事在職中の行動と成果。

 
     2.主な行動事実  
     長野県民の圧倒的支持で知事に当選したが、議会との調整がうまくいかず、任期途中で失職。
 
     3.人事考課の考え方  
    1.成績考課
 職務基準は当然公約の実現である。
 結果として、誰がよい悪いは別にして、任期途中に失職し、公約は何も実現しなかった。県民のみならず、国民の多くが「ダム建設に対して関心を持った」が、県政としては、何も実現していないのが現実である。したがって、成績考課はDと判断する。

2.情意考課
 知事室で女性をひざの上に乗せている写真が報道されたが、いくら勤務時間外といえども、知事として、また、執務室であることを考えると、規律性に関してはCと判断せざるを得ない。

 責任性に関しては、「困難を乗り越えてでも公約を実現しよう」という意欲は旺盛であり、結果的に実現できなかったが、それは進め方の問題と考え、意欲としては十分感じられるので、責任性はAとする。

 協調性に関しては、就任当時、県職員といろいろとトラブルがあり、独りよがりの面もあるが、これは県職員の意識の低さの問題であり、本人の協調性とは別に考える。したがって、協調性はBと評価する。

 積極性については、「脱ダム宣言」など新しい提案を果敢に行い、推し進めようとした点についてはAと評価する。

 

3.能力考課
 「コンクリートのダムを作らない」という決断は、今までのしがらみにとらわれない決断であり、また、長期的には県民のためになる判断であるため、決断力・判断力はAとする。

 企画力・開発力に関しては、せっかくよい決断であっても、それを推し進める方法や代替案が具体的でなく、これが議会の理解を得られなかった原因の一つであり、企画・開発力はCとする。

 折衝力・渉外力に関しては、相手のレベルにあわせて説得するということができず、また、根回しも大事な折衝力であるにもかかわらず、これらがうまくできず、議会と感情的な対立を招いてしまった点から、Dと判断せざるを得ない。

 側近や部下の離脱や退職が目立ち、指導力はCとする。

4.ウエイト
 県知事であり、結果が求められるわけで、成績考課のウエイトを80%としたいところであるが、今回は任期途中ということを考慮し、成績考課のウエイトを若干下げて、成績40%、情意20%、能力40%とする。
 (小泉首相・森前首相の時と同じにした)

5.結論
 総合評価は業務に支障をきたす「D」となる。

 
     4.人事考課の結果  
   

 

考課項目・要素

評語

ウエイト

成績考課・公約の実現 40%
情意考課・規律性 5%
情意考課・責任性 5%
情意考課・協調性 B 5%
情意考課・積極性 5%
能力評価・判断力 10%
能力評価・企画力 10%
能力評価・折衝力 10%
能力評価・指導力 10%

総合評価

39点

 

 
     5.補足説明  
   

 業務に支障をきたした「D」だから失職したのか、失職したから「D」になったのか。
いずれにしても、期間中の結果は、このように判断せざるを得ない。

 再選挙で当選し、この経験を活かして、今後の県政によい影響やよい結果が出ればその時点で、よい評価となるであろうが、現時点ではこのような評価になってしまう。
 「成績考課はありのまま」の原則が効いている。

 人事考課は将来の期待や可能性を評価するものではなく、過去の実績や現実を評価するものであり、まず、現実を認めることが「評価」の前提となる。