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      衆議院議員加藤紘一氏の人事考課(考課日:2000年11月21日)  
     1.考課対象  
   

 11月20日、野党提出の不信任決議案の採決に対する対応。

 
     2.主な行動事実  
   

 森政権の退陣を目指し、不信任案に賛成の主張をしていたが、採決当日になって本会議を欠席した。

 
     3.人事考課の考え方  
    1.成績考課
 職務基準は本人いわく「不信任案の可決」であり、また、国民の多くの期待は「不信任案の可決、仮に否決されても、加藤新党結成などによる政治の変化」「少なくても森政権にダメージを与え、不人気森政権を退陣に追いやる状況作り」と考えられる。
 結果として、何も実現できなく、逆に「不人気森政権を信任する形になった」「国民の失望を増大した」ことを考えれば、Dと判断せざるを得ない。

2.情意考課
 国会議員として、本会議を欠席とたことは規律性でCと判定する。
 (ズル休みのようなものである。出席した上で、意思表示すべきである)
 責任性は弁解の余地なくDと判断する。途中で目標達成を放棄してしまった。仮に、目標達成が難しい状況であっても、確定していないわけであるから最後まで努力すべきである。仮に、数で負けても、国民からの支持は増えたはずだ。
 協調性は、協力するといっておきながら、いざとなったら欠席では、不信任決議案を提出した野党に対して、申し訳が立たない。もちろん、与党野党の関係でそれが戦略であったといえば、いえないことはないが、今回の場合は、与党の一員としての戦略として、野党を裏切ったとはとても思えない。
 積極性については、現行の森政権ではダメだと思いながら何も行動しないよりは、事を起こしたことはプラスに評価できる。結果として、実現しなかったが、何かしよう、変化させようという意欲はAに値するが、最後まで続かなかった点を考えるとBが妥当であろう。

3.能力考課
 特定の政策のせいでなく、「国民の7割以上が支持しない政権を信任できない」という判断は正当であり、この時点での判断力は期待通りBと判断できる。
 しかし、それを具現化する戦略が未熟で結果的に実現できなかった分けであるから企画力はDと判定する。また、その結果、形勢不利となった時点での本会議欠席の判断は職務基準に照らし合わせてみても、本人の政治生命から見ても、明らかに判断ミスであり、この件に関しては判断力Dと判断せざるを得ない。
 折衝力は党内の多数派工作に敗北したわけであり、根回しも含めて折衝力は未熟であるCと判断せざるを得ない。Dとしないのは、主流側には権限があり、折衝力だけの差ではなかったと思われるからである。
 指導力は派閥内の分裂を引き起こした点、それが、本会議欠席につながった点を考えるとDと判断せざるを得ない。

4.ウエイト
 職務基準を明確にしたので、成績30%、情意20%、能力50%とする。 

5.結果
 総合評価30点、Dと判定する。

 
     4.人事考課の結果  
   

 

考課項目・要素 評語 ウエイト
成績考課 30%
情意考課・規律性 5%
情意考課・責任性 5%
情意考課・協調性 5%
情意考課・積極性 5%
能力考課・知識技能 10%
能力評価・判断力 10%
能力評価・企画力 10%
能力評価・折衝力 10%
能力評価・指導力 10%

総合評価

30点

 

 
     5.補足説明  
   

 結果が悪いのは、意欲不足(情意考課)、能力不足またはアンラッキーが考えられるが、今回の場合は、能力不足(判断力、企画力)が敵前逃亡という責任性の欠如につながったといえよう。
 敵前逃亡か名誉ある撤退かは、今後の加藤氏の活躍にかかっているが、現時点においては、決して「名誉ある撤退」とは思えない状況である。