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  評価のQ&A 30

 
   

161.総務課一般職の目標

 
   

 総務課の一般社員です。目標管理制度(査定の30%)を導入しているものの、上司は目標を示さず、また、具体的数値に出来る目標を要求します。コピー用紙の購入金額など経費節減の目標を設定してきましたが、ネタギレに自分では思います。どのように対応すればよいでしょうか。

 上司が部門目標を示して、それを達成するための部下の目標のガイドラインを示して初めて部下は目標設定できます。それがないと大変ですね。

 目標管理には、色々なやり方があるのですが、大きく分けると2つに別れます。
 一つは、通常の業務以外の別の課題やテーマを目標として掲げるやりかたです。
 この場合、数年続けると「ネタ切れ」になってどうしよう、あるいは、毎年同じも目標になって「マンネリ」とうことが発生します。この方式は、「動機付け」が目的であり、評価には連動しない場合に使われます。部下が自主的に目標設定し、上司が承認するという考えです。昔はみなコチラの考えで目標設定していました。

 もう一つは、通常業務そのものを目標という形で設定する方式です。
 
この場合、目標項目は毎年ほとんど同じになります。本来やるべき仕事を、「どの水準でどう行うのか」(遂行目標)とそのように行った場合どのような成果が出るのか(業績目標)で構成されます。目標設定は上司の要望が優先するという考えです。 今、日本の企業で行っている目標管理はほとんどこちらの方です。

 賞与や昇給に連動するということですので、会社としては、多分、後者の方の目標管理を導入して運用していると思うのですが、上司が前者の目標管理をイメージして指導しているのだと思います。

 「営業は、売上や粗利など、毎回同じ目標項目で、本来行う仕事について目標設定しているのになぜ、総務は通常業務以外のもので、毎回違う目標項目を設定しなくてはいけないのですか。」

「営業の人は、課の目標を達成するために必要な内容を目標に設定しています。私も、うちの課の目標に貢献する目標を設定したいので、まず、総務課の目標を教えてください。」
 というように、上司に確認してください。
 その上で、ご自分の本来やるべき仕事はなんなのか、また、それをどのように、どの程度行うのかを設定したものが目標ということになります。

 詳しくは、ホームページの各項目をご覧ください。

 経理課長の目標

 一般事務の目標設定

 事務の目標の書き方

 数値目標について

 目標のブレークダウンと数値目標

 

 
   

162.小規模会社の人事制度

 
   

 ここ数年で、いつの間にか人数も増え(20名程度)、大卒者もいるので、今後の事業展開を考えるとそろそろ明確な人事評価・賃金設定をしていきたい。現在支給している額面をあまり崩さず、また、みんなのやる気をそぐことなく、明確なルール作りをしたい。 現在、社員の雰囲気は大変よい。事業も順調に成長しているため、従業員も張合い・責任感を感じている様子。 みんなの能力をみんなが賛成して評価できるシステムを構築するために、よきアドバイスがいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 「社員の雰囲気は大変よい。事業も順調に成長しているため、従業員も張合い・責任感を感じている様子。」 ということで、非常によい状況ですね。
 このような状況のときに、世間で言われている「処遇で差をつける、メリハリをつける」制度は導入しない方がよいと思います。 個人ではなく、会社がよくなれば、みんながよくなる、というような仕組みがいいと思います。 社員同士取り合いするような仕組みはよくありません。

 まず、会社の経理内容をオープンにして、社員に会社の状況がわかるようにします。 その上で、どのような数値(売上や原価、利益)になった時には、どれくらいの賞与が支給できるのかを明確にします。 そして、社員が協力してその数字を達成すれば、それ相当の賞与が出来ということを明確にするのがよいと思います。 「賞与の総額は、会社の業績に連動する。」だから、「みんな協力して頑張ろう。」です。その賞与総額は、社員の評価に応じて配分するようにします。 これはムリに差をつけるということではなく、明らかに頑張った、明らかに問題があった場合は別にして、 みなそれなりにやっていれば、それなりに配分するのがよいと思います。(賃金比例など妥当な方法で)

 賃金は、社員の評価ではなく、担当する仕事の価値で決めるようにするのがよいと思います。 「君の能力が○○だから、いくらだ。」というようなやり方ではなく 「君の担当する仕事は○○だから、いくらだ。」とうような決め方です。 能力でランク付け(等級決め)するのではなく、 当社で必要な仕事を書き出し、その仕事の値段を決めて、その仕事を担当する人にその金額を払う、という考えです。このようにすると、仕事が変わらなければ、賃金は変わりません。

  能力をつけ、努力すれば、生産性が上がり会社の業績はよくなります。
そうすれば、賞与の総原資が増えます。したがって、賞与が増えます。
経営者も社員も都合のよい仕組みになります。

 また、評価に関しては 最終成果だけでなく、プロセスも評価の対象にすることが大切です。 例えば、お米を作る場合、最後の収穫として米100俵だけを評価するのではなく 途中の「肥料をやる」「水をやる」「雑草を抜く」「害虫駆除」なども評価の対象にするということです。
 昨今の最終成果のみを評価する「成果主義」で失敗した企業が多くあります。 期待成果と期待行動(プロセス)を明確にし、それを評価するようにするとよいと思います。

以上、よろしくお願いします。
 

 
   

163.初めての評価制度導入

 
   

 今まで賞与の査定は役員が実施していましたが、今後は部署長が行うようにしたいと思います。 部署長は部員の評価というものに馴れていませんので、沢山の項目を出しても混乱すると思います。 従いまして評価させる項目も少なくして、評価点も「良くやっている」「普通」「少し問題がある」をA・B・Cとしたいと考えています。 そこで、評価項目としてどんな内容を選択したら良いか教えていただきたく存じます。宜しくお願いします。

 部署長が行うようにするということは、よいことだと思います。仕事ぶりをよく見ている人が評価すべきです。 たまにしか仕事ぶりを見ない役員さんよりは、いつも一緒に仕事している人が評価するのがよいと思います。 また、評価した後、賞与等の査定に利用するとともに、問題点があれば当然指導するわけですから、指導責任のある直属上司が評価すべきです。

 評価段階も、おっしゃる通りABCの3段階くらいがよいと思います。最初から、難しくしないでわかりやすいのがよいと思います。

 評価項目につきましては、会社が期待する内容を評価項目、評価基準にするとよいと思います。通常、会社から社員に対する期待は、2つあります。一つは、期待成果でありもう一つは期待行動です。

期待成果 (期待通りの成果を出してほしいという期待です)
 どんな成果を出して欲しいのか、明確にすればよいわけです。  
 営業数値や生産性、不良率など仕事の結果について、評価するようにします。

期待行動 (期待通りに業務を進めて欲しいという期待です)
 その仕事をどのように進めて欲しいのか、 どのよう仕事ぶりがよいのか明確にすればいいんです。  
 これは文章で表現することになりますが、 後から判定できるように、表現に気をつける必要があります。  
また、これは職種によって異なりますので、職種ごとに作るとよいと思います。

 その他、必要であれば、勤務態度に関する項目を入れるとよいと思います。

成果向上型人事制度の作り方(HP版) で、詳しく説明しておりますので、参考にしてください。

 

 
   

164.職務中心の人事制度構築の取っ掛かりは?

 
   

 「職務」を中心とした人事制度を作ろうと思っていますが、「職務」とは、役職と考えていいのでしょうか。また、部署ごとに違うものになるのが普通でしょうか。それとも、「課長」であれば、どの部署でも同じと考えるものなのでしょうか。 職務のランクは、一般的にどのくらいに区分して考えたらいいのでしょうか。 1ヶ月という短期間でできるものなのでしょうか。

● 「職務とは、役職と考えていいのでしょうか。」について

  名前だけの役職でなくて、ちゃんと役割や責任が明確になっているのであれば、役職と考えください。 ただ、役職以外でも、職務価値が違う場合がありますので、それを役職にするのか、役職にはしないが高い職務価値として処遇するのかは会社の判断です。

● 「部署ごとに違うものになるのが普通でしょうか。それとも、・・・・・」について

 最初は同じでもいいと思います。明確に区別できるのであれば、区分した方がよいと思います。 同じ課長でも、営業課長と総務課長とでは職務価値が違うとして差をつけるという方法です。 その場合、その根拠を示す必要があります。

● 「職務のランクは、一般的にどのくらいに区分して考えたらいいのでしょうか。」について

1.定型業務
  マニュアルどおり、指示通りに行う仕事(難易度により1〜3に区分することも可)

2.監督・企画業務
 仕事の段取りを行ったり、チームのメンバーに指示命令する仕事(チームの大きさや難易度により1〜3に区分することも可)

3.管理職
 課または部の管理監督をする仕事 (役職の段階に応じて、1〜3に区分する)

● 「1ヶ月という短期間でできるものなのでしょうか。」について

 目指すゴールのレベルと投入するエネルギー(能力・努力・経費など)によると思います。 1ヶ月後にどうなっていたらいいのか?
 ・ たたき台ができている
 ・ 評価用紙ができている
 ・ 評価の社内説明会が終わっており、翌年より運用できる状態になっている。
など、どのレベルまでしたいのかを明確にした上で、誰がどうするかを想定するとよいと思います。
 ・ 誰が、(担当者だけが、担当部署全体が、担当部署と外部専門家が、・・・・)
 ・ どのように、(独学で、部門内で検討して、専門家に依頼して、・・・)
などが考えられます。

 

 
   

165.入社2年目の不安

 
   

 老舗百貨店に入り2年目になります。3年ぶりの採用であり、会社は私たちを「幹部候補生」と呼びます。「幹部候補生」ということですが、実際にやっている仕事は販売のみで将来が不安になっています。現場が大事というのはとてもよくわかりますが、同期一同、自分たちが何を求められているのかわからず、日々を消化していく日々です。フォローアップ研修などまったくやらず、ほったらかしなのです。

 同期でも、不安を抱え、辞めることを決意しているものもおります。 私も、同様です。事実、後輩の新入社員が入社半年もたたないうちに退職しました。このような現状を、どう考えたらよいでしょうか。

 そうですか。私も同じ年頃の子供がいますので、他人事ではありません。ただ、その会社の状況もありますので、私なりの考えをお伝えします。

● 一般の状況

 最近、優秀な新入社員の退職が目立つようになっています。理由は、次の通りです。

 ・ 昔のような大量採用の時代ではなく、少数の選抜された人が採用される。
 ・ 選抜されるために、学生も努力し、職業観も高くなる。
 ・ その結果、能力も高く、職業観の高い学生が採用される。
 ・ しかし、実際には、採用のために高まった能力や職業観を満たすだけの仕事がない。
 ・ この「仕事がない」というは、すぐには与えられないということであり、現場を経験し、ある程度会社の仕組みを理解した上で能力に見合った仕事を与えようということである。

 ただ、それまでの期間が我慢できず、能力が高く、職業観が高い人ほど、そのギャップが大きく感じ、退職する。 ということが増えているようです。(どこの会社もみな同じだと思います。)

● フォロー研修について

 新入社員に対するフォロー研修(集合研修)は、行った方がよいと思います。 会社に入ってからの「思い違い」「不安」などを抱えている新入社員は結構多く、職場を一旦離れ、同期の人と顔を合わせ話したり、改めて仕事の進め方や意義などの勉強したりすることで、不安の解消や今後の意欲につながります。そのような意味で、行った方がよいと思います。

 しかし、「ねばならない」といことではなりません。実際には,「していない」会社の方が多いと思います。それでも問題なく機能しているのは、そのフォロー研修の内容を、職場の先輩たちが実施しているからです。(やり方は違っても、目的を達成できれば問題ない)

もちろん、中には、研修もしない、職場でもフォローしないという会社もあります。

● 「幹部候補生」として

 幹部の幹部として求められるものはなんでしょうか?知識でしょうか?販売テクニックでしょうか?・・・・ 私は、人心の把握だと思います。誰の人心かというと、百貨店である以上「販売員」と「お客」の心がわかることが幹部の最大の必要事項だと思います。

 どんな立派な大学を出ていたとしても、「販売員」と「お客」の心がわからなかったら幹部としては通用しません。「販売員」と「お客」の心がわかるようになるためには、まず自身が販売員として仕事をすることであり、販売員としてお客と接することです。年数の問題ではなく、「販売員」と「お客」の心がわかるようになって初めて幹部といえるのではないでしょうか。

今まさに、「販売員」と「お客」の心がわかるようになるための研修を受けている状態だと思います。

参考にぜひ、見てください。 私のブログの「仕事と作業 」という記事です。短いですから

以上、よろしくお願いします。
 

 
   

166.目標管理制度導入の注意点

 
   

 主に従業員の生産性、モチベーション向上を目途に独自の目標管理制度を検討しています。目標に対する評価を賃金に反映させたいと考えていますが、まずは従業員の生産性とモラールアップを最優先と考えています。どのように進めるといいでしょうか?

 目標管理は各企業によって色々なやり方がありますが、うまくいっている企業はあまりありません。私のかかわっている数少ないうまくいっている企業の例を参考に説明します。

● 一般論

 ご承知かと思いますが、目標管理には運用上、大きく分けて2つの考え方があります。ひとつは「チャレンジ加点主義の目標管理」であり、もう一つは「評価連動型目標管理」です。

 「チャレンジ加点主義の目標管理」は通常業務をしっかり行うということを前提に、それにプラスして、「改善目標や重点目標」を設定するという考え方で、本人の自主性が重んじられます。本人自らがチャレンジして、成果と能力の向上を図ろうという目的で実施します。

 これに対して、「評価連動型目標管理」は通常業務そのものを、目標として明確にし、その達成度合いに応じて「通常業務の成果」を測定しようというものです。通常業務ですから、本人自主性よりも組織の要望が優先されます。 何をどのレベルまで行うかは上司の要望により決まります。本人は、そのやり方や方法について自主性を発揮することとなります。

 このように、同じ目標管理であっても目的や運用方法によって、目標に設定する内容がちがってきます。 「評価連動型目標管理」を行っているのに、本人が自主的に目標を設定するような形になっていると、当然、自分に都合のいい目標設定になってしまい、目標管理そのものが機能しなくなってしまいます。
 この点を注意してください。 

● 今回の相談

 目標管理の評価結果を賃金に連動したいということですから、評価連動型目標管理を導入するということになります。その場合のポイントは、各人の通常業務の内容(どのような仕事をどのレベルで実施することが求められているのか)を明確にするということです。

  「どのような仕事をどのように行ってどのような成果が求められているのか」を事前に一覧表にしてしまえば、後はそれをどの水準まで行うか、経営目標との兼ね合いで水準が決まります。これが目標です。目標というと違和感があるかもしれませんが、「役割にゴールを明確にしたもの」ということもできます。

 この本来行う仕事(役割)を明確にしないで、評価連動型目標管理を導入しますと、自分の都合のいい目標を設定するようになり、目標管理が業績向上に対して逆効果になってしまします。

● 動機づけを考えるのなら

 動機づけを目的に目標管理を考えるのであれば、評価に連動しない(マイナスしない)ようにする必要があります。評価に連動するのであれば、誰も高い目標にチャレンジしません。低い目標を無難にこなすようになってしまします。

 そこで、上記の評価連動型目標管理にプラスしてチャレンジ加点型の目標管理を付加します。 本来やるべきことをしっかりやった上で(評価連動型目標管理で評価する)、自らチャレンジ目標を設定してもらい、達成すれば加点する、未達であってもマイナスしないという仕組みにします。そうすれば、プラスαの目標を設定するようになります。

● まとめ(成功事例)

1.本来やるべき仕事を明確にして、「今期どのような仕事をどの程度行って欲しいのか」上司の方からその期待像を示す。 これが評価連動型目標管理の目標にあたる部分であるが、勘違いするので「役割」と呼ぶ。

2.この役割に関連した内容で、特に重点的に行う個別のテーマや改善目標を部下の方から申告し、業務に生かされる内容であれば上司が承認する。これがチャレンジ加点主義の目標管理の目標にあたる部分であるが、わかりやすくするために「チャレンジ目標」と呼ぶ。

3.役割の評価は達成度に応じて、プラスマイナスの評価とするが、チャレンジ目標の評価はプラスのみとし、未達であってもマイナスいないようにする。

このような形の目標管理制度はいかがでしょう。

 

 
   

167.合併に伴う賃金のひずみ

 
   

 現状は前近代的な経営者の主観による年功賃金制であり、古株が高給をとりつつ勝手な裁量を持っていた。昨年、小規模の関連会社と統合したが、業務の性質上合併先のほうが、収益率が高く、明瞭経理になっている。  これを機会に賃金制度の見直しを行っているが、役割期待と給与水準が合わない部分が(特に当社側のほうが)あり、かといってここで不明瞭な年功賃金要素をあからさまに見せることは今後のためにも良くないと思っております。どのように対応すればいいでしょうか。

 色々な状況があり大変だと思います。特に合併や統合があると、価値観が違う人との兼ね合いがありますからさらに大変でしょう。今回の件につきましては、現実的な事情がある出ようから、一般論でしかお答えでいませんが、・・・。

 私は人事制度の可視化が大事だと思っています。 そのためには現状はどうなっているのか、そして、今後どうして行くのか、を明確にするのが一番いいと思います。

決して、年功的要素が悪いとはいえません。今までそのようによってきて、会社が存続しているということは、それなりによかったのだと思います。それを認めた上で、将来に向けて、年功的要素をどうするのか、を明確にすればよろしいと思います。

 現状と将来の方向性を可視化することが、会社への信頼アップにつながると思います。

1.今までは、年功的な考え方でこのような賃金の決め方をしていた。(当社)
2.昔はこれでよかったが、今、あるいは、将来的に機能しなくなると考えられる。
3.社員も年功制よりは、能力や成果、役割に応じた処遇を望んでいると思う。
4.したがって、「役割期待と給与水準」が一致するような仕組みにしていい期待と思う。
5.現行の年功制の賃金と「役割期待と給与水準」ではズレがあるので、これは今後調整するようにする。
6.一気に行うと、既得権益の侵害につながるので、期間を決めて実施する。
7.「役割期待と給与水準」の設定の仕方はこうである。
8.現行賃金より下がる場合はこのような場合で、こういう段取りで減額する。
9.現行賃金より上がる場合はこのような場合で、こういう断奴りで増額する。
10.もちろん、今後の評価や昇進昇格により、減額がなくなったり、逆に増額になる場合もありえる。

というように、すすめるとどうでしょうか。

以上、よろしくお願いします。