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トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  評価のQ&A 20

 
   

96.絶対評価はできない

 
   

 能力主義を導入して6年目になりますが、最近思うことがあります。 「絶対考課は、絶対できない。」考課者となる人物も、被考課者も、生まれてからずっと、相対評価の中で育ってきて、家庭では兄弟や近所の子供と比較され、学校ではクラスで1番になることを要求され、会社に入って「はい、それでは絶対考課で考課して」といわれても無理です。最近、従来からの相対考課を基礎とした何かよい人事制度はないものかと悩んでおります。(ある農協の人事課長さん)

 能力主義を導入していらっしゃるということですが、その目的は何でしょうか?
公正処遇を行うこともありますが、能力開発も大事な目的のはずです。

 能力主義における人事考課は 「職務遂行能力の健康診断」といえます。
実際の健康診断も他人と比較して血圧が高いとか低いとか行っても まったく意味がありません。
標準値、基準値を比較することで 健康管理ができるわけです。

 人事考課も同じように標準を定めて、それに対して上回っているかどうかをみていくわけです。 それによって、指導育成が図れるわけです。

 絶対評価というと、難しい気がしますが、標準・基準に対しての相対評価と考えると良いと思います。比較対象となる標準・基準を明確にすれば、絶対評価の方が簡単です。

 また、相対評価はどうしても人物評価になってしまいます。
考課要素ごとに標準、基準と比較する絶対評価で行い、その結果を集計した後 相対的に総合評価(分布規制により)を決めるという方法がよいと思います。
ただし、役職の任命など、定員が決まっているものは 人物評価も加味して、相対評価で行います。

 私は、評価の段階では相対評価はできない、仮に行っても意味がないと思っています。
考課要素ごとに絶対評価した後、集計して総合評価を出す段階(処遇に活用する段階)では 相対的に考えることは必要だと思っています。

  したがって、相対評価に関しては、良い考えは持っておりませんので、適切なアドバイスができません。

以上、よろしくお願いいたします。

 

 
   

97.営業社員の成績連動賃金

 
   

 営業社員の賃金を、営業目標の達成率と絶対金額で100%連動するようにしたいのですが、どのように方法があるでしょうか?(営業社員20人ほどの会社のSさん)

 100%営業成績連動がいいかどうか別にして、そのような意向でしたら、
「年収=営業社員の営業粗利額 × 目標達成による比率」
で計算するとよいと思います。
  絶対額は営業粗利額に連動しますし、目標達成率も加味されます。
すべて数値で管理できますから、本人も自覚でき納得性があります。
月例賃金は今の形で支給して、賞与において精算するようにすればいいです。

 例えば、粗利額が年間2000万円で、標準比率を30%(目標達成率により上下)とした場合、年収が600万円となります。
既払い賃金が360万円(30万×12)の場合、賞与を差額の240万円とします。

標準比率をどれくらいに設定するか、各社の状況によりますが 一つの案としていかがでしょう。

 

 
   

98.数値目標について

 
   

 成果主義が導入され2年になりますが、さらに、目標の定量制になろうとしています。企画デザイン部門なのですが、定量化できない仕事を担当している人が多く困惑しています。どのように考えればよいでしょうか?(印刷会社のSさん)

● まず、目標項目について
 成果というのは売り上げや利益など営業数字だけでなく、 各人に求められた役割を全うすることを言います。 一担当者が決められた期限内で、期待通りのデザインを完成させればそれはそれでひとつの成果をあげたといえるわけです。 したがって、あらゆる部門で成果主義は成立します。

  ホームページ評価の疑問>目標管理の定着>アカンタビリティーの明確化
  http://www.sabcd.com/31mokuhyou/313mokuhyou.htm#3
  をご覧ください。

● また、定量化ということについて
 仕事の責任には結果責任と遂行責任があります。 結果責任というのは、やり方方法は別にしてある一定の結果を出すという責任であり、遂行責任というのは、決められたとおりに職務を遂行するという責任です。
  どちらも大事な責任ですが、当然上級管理者は結果責任が大きく求められますし、一般社員には遂行責任が大きく求められます。
また、営業や製造などライン部門では結果責任が大きく、スタッフ部門では遂行責任が大きくなります。
 少なくても、部長クラスはどの部門も結果責任が求められますが、それをブレークダウンした部下の目標は、部門によって結果責任を問う目標になったり、遂行責任を問う目標になったりします。 結果責任を問う目標は当然数値目標になりますが、遂行責任を目標の場合は数値目標ではなく、遂行目標になります。(この遂行目標の達成したかどうかの達成指標を数値化することは可能)
 無理に数値目標を設定しようとすると、数値化しやすい項目を設定することになり、本来設定すべき目標が設定できなくなることになってしまいます。

   ホームページ評価の疑問>目標管理の定着>目標のブレークダウン
  http://www.sabcd.com/31mokuhyou/315mokuhyou.htm#3
   をご覧ください。

 いずれにしましても、 企画デザインの役割を明確にすることが先決です。 役割といっても、ただ単に職務記述書(職務分掌)などによって職務内容を示すだけではなく、「どういった成果が求められているか」を明確にするということです。 そして、それを達成するために各人が何をするかとう観点で目標設定するのがよろしいと思います。

 

 
   

99.病院での考課者訓練

 
   

 大学の付属病院ですが、今回初めて人事考課訓練を行う予定です。今までは訓練は行わず、人事考課の説明のみでおこなってきました。今回、人事考課者訓練を企画する上で病院として何か気をつけることがあるか、アドバイス願います。(Nさん)

 訓練そのものは、人事考課の考え方やルール・基準などを、事例研究等を使って理解を深めるものであり、訓練時間と受講生の人事考課に関する知識に応じて カリキュラムを組んで進めていきます。
  したがって、訓練そのものは、専門講師に任せればそんなに問題なく実施できると思います。
社内講師で実施するのであれば、一度専門講師で実施して、それをまねる形で行えばよいと思います。教材や事例も使えます。

 問題は訓練そのものよりは、人事考課制度の明確さにあります。
人事考課の説明だけで進めるのであれば、多少あやふやの点があっても、あまり問題になりませんが(よくわからないから、問題点に気づかない)、考課者訓練でしっかり勉強しますと、いろいろな問題点が出てきます。
 訓練を行う前に、自社の人事考課制度の考課ルールや考課基準を明確にしておく必要があります。

 病院の場合は、それぞれが専門家集団になりますので、 「誰が何を評価するのか」「基準は何か」という点を明確にすることが必要です。その点を明確にすればそんなに問題は出ません。
難しいのは「医師の評価」をどうするかという点です。(これについては、別途資料を送ります)
 これらを考課者訓練の前に明確にしておく必要があります。

 人事考課者訓練のコーナーをご覧ください。

 http://www.sabcd.com/jk/2jinji.htm

 
   

100.部門目標設定の考え方

 
   

 会社の目標や方針を参考に部門目標を作成し、これをブレークダウンして各人の目標を設定したのですが、実際の仕事とずれが生じて妥当性がありません。部門目標はどのようにして設定すればよいのでしょうか?(ある病院のWさん)

 まず、目標管理の考え方を確認しておく必要があります。 目標管理にはいろいろな運用方法があります。 今実施している目標管理はどのようなものかにより、若干違ってきます。

 目標管理の種類についてはホームページでご確認ください。
  評価の疑問>目標管理の定着>目標管理の種類
  http://www.sabcd.com/31mokuhyou/313mokuhyou.htm#4

 ここでは、評価連動型目標管理ということで説明します。

 基本的には会社の経営方針をブレークダウンした形で部門目標を設定するということでよいのですが、会社の経営方針は「今までやってきたことやいつもやっていること」を前提に、今期特に重点を置いていこうということを掲げることが多くあります。したがって、「今期重点においていこう」ということだけをブレークダウンして部門目標を設定すると、部門によっては現実の仕事とズレが生じることがあります。会社の経営方針には揚げていないけれど、今までもやってきていることも、部門として当然ある一定水準で行う必要があり、これも部門目標に組み込む必要があります。

 以上のことを踏まえて、部門目標設定の手順を示すと次のようになります。

1 各部門部署には、会社の経営方針があろうがなかろうが本来行うべき役割があります。その役割が何であるかを明確にした上で、今期その役割をどの水準で実施しどのような成果を生み出すかを決めたものが目標になります。

2  会社の目標や方針が明確になっているのであれば、この水準や成果を会社の方針に沿って設定するになります。

3  また、今まで行っている仕事とはちょっと違うが、今期の会社方針に掲げられている内容で、部門の役割と関連するようなことも課題として目標項目に入れます。

 このように設定すると次のような目標が出来上がります。

 ● 目標項目は部門も役割を果たすための項目で達成水準は会社目標達成に貢献する水準。

 ● 目標項目・水準とも会社の経営方針をブレークダウンしたもの

私はこれを「役割と課題」と呼んでいますが、この役割と課題を明確にしてそのゴールを設定することが、評価連動型目標管理成功の秘訣だと思っています。