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トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  評価のQ&A 7

 
   

31.会社の都合でクビにできる?

 
   

 先日、社長から「業績不振で会社をやめてくれ、1か月分の給与を払うから」といわれました。言われるとおり、会社をやめないとといけないのでしょうか?(27歳Tさん)

 会社の業績不振で製造部門の正社員を半分くらいにしたいと思います。補充は派遣でまかなう予定です。合法的に解雇できるでしょうか?(製造業の経営者Yさん)

 退職や解雇については慎重に考える必要があります。まず、退職。解雇について整理してみましょう。

 

 

雇用契約の解約

条件・制約・内容

自主退職

労働者からの一方的な雇用契約の解約

最低14日以前に申し出る。
(退職の意思表示をして、2週間経過すれば、使用者の同意,不同意は関係なく、退職となる)

定年退職

雇用契約の消滅

就業規則等に規定されたとおり。

合意退職

労働者と使用者が合意の上での雇用契約の解約

合意した条件のとおり。
・奨励退職

 使用者からの退職奨励を労働者が受け入れた場合

・希望退職

 使用者が退職者を募り、それを希望した場合

解雇

使用者からの一方的な雇用契約の解約

30日前の予告(または予告手当)が必要。
・普通解雇

 勤務態度不良や能力の著しい低下などによる解雇

 (それ相応の理由が必要、解雇権の乱用はだめ)
・整理解雇

 工場の閉鎖、事業縮小などによる解雇

 次の4つの条件を満たしていることが必要
 1 人員整理の必要性
 2 解雇回避努力の履行
 3 被解雇者選定の合理性
 4 手続きの妥当性

懲戒解雇

使用者からの一方的な雇用契約の解約

解雇予告も予告手当の支払いもなく、退職金も支給されないのが一般的。(使用者は、労働基準監督署の除外認定を受ける必要あり)

就業規則の懲戒解雇の規定に当てはまることが最低条件。

  Tさんの場合は、上記3の合意退職(奨励退職)に当てはまると思われます。1か月分の給与を払うというのは、合意を得るための条件であって、「1か月分(30日の予告手当分)払うから、会社の都合で即解雇」というわけにはいきません。
したがって、Tさんが合意すれば退職になりますし、合意しなければ退職にはなりません。

 よく経営者の中に予告手当を払えばいつでも解雇できると思っている人がいますが、この予告手当は解雇するための最低条件であり、それだけで解雇できるものではありません。
 普通解雇には次のような、制約がありますので、その制約をクリアーする必要があります。

法律上の制約

次のような解雇は認められません。
・ 国籍・信条・社会的身分を理由とした差別的解雇・業務上の災害
・ 疾病による休業期間中及びその後30日間
・ 産前産後の休業期間及びその後30日間
・ 結婚・妊娠・出産・産前産後の休業等を理由とした解雇
・ 育児休業の申し出・取得と理由とした解雇
・ 労働基準監督署長等への申告を理由とした解雇
・ 労働組合への加入・結成・組合員であること及び労働組合の正当な行為を理由とした解雇

自主規制

・ 労使の話し合いによって定められた内容

民事上の制約

・ 権利の濫用と認められる解雇は認められない。
・ 解雇する場合には合理的な理由が必要である。

 特に合理的な理由が業績不振である場合、なぜTさんが対象になったのかの合理的な理由が必要です。
 また能力不足の場合は、具体的な根拠、指導の適切さなどが問題になりますし、勤務態度不良の場合は少なくとも3枚以上の始末書が必要でしょう。
 したがって、Tさんのケースではやめる必要はありませんが、そのような会社ならということで退職の条件を有利になるように話し合って、合意退職するという手も考えられます。

 また、Yさんのご質問ですが、極力整理解雇を回避する手を打つことが必要です。
役員の賃金カット、管理職の賃金カット、非管理職の賃金カット、時間外勤務抑制の施策、たとえば交代勤務制やフレックスタイム、希望退職を募る、新規採用の停止などです。
それでも会社存続のために整理解雇が必要な場合は、被解雇者の選定基準を明確にした上で、雇用者とよく話し合って、たとえば退職までの期間とか、転職支援とか、解雇される人の生活を考慮して、慎重に進めることが必要です。

 整理解雇は特段雇用者に責任がないのに解雇されるわけですから、十分な配慮が必要です。
(まったく責任がないわけではないが、工場で上司の指示通り作業をしている人よりは、経営者の方がすっと責任が大きいはず。)

 

 
   

32.100点満点にならない?

 
   

 評価の基本2で「情意考課にSはない、規律性にAは発生しない」ということですが、であるならば評価のQ&A「26.総合評価の算出方法」に評語SABCDを54321の数字に置き換えて、それぞれのウエイトを掛け算し、合計します。最高500点になりますので、5で割って100点満点に直します。とありますが、最高500点にはならないような気がします。
 勿論、非の打ち所の無い人間などいるわけはないのですが、制度運用上どうしたらいいものか悩んでいます。
(人事担当者 永井さんより)

 おっしゃるとおり100点満点にはなりません。
言い換えると、100点満点に換算するが、例えば90点(ウエイトによって違う)以上は発生しないということになります。
 したがって、処遇に活用する場合の総合評価をするときの区切りの点数を若干低くして(その分を考慮して)設定するとよいと思います。当ホームページの「有名人の人事考課」では75点以上を総合Sとしています。

 最高点が100点になろうがならまいが、あまり関係ないのではないでしょうか。
この点数は処遇のときに必要となるのですが、そのときの区切りを何点にするかが重要なことであると思います。

 また、階層によりウエイト配点を変えると(情意考課のウエイトの大きさにより)最高点の理論値が変動します。したがって、賞与等相対区分で総合評価をする場合は、母集団を変えることが必要です。
 昇給等絶対区分で総合評価をする場合は、それを見込んで区切りの点数を設定するか、人数が多いのであれば、ウエイト配点のグループごとに区切り点を変えるとよいと思います。
(同じ条件であれば、なんら問題なない)

 以前、同じような疑問を持たれて、情意考課の点数をA 5、B 3.6 C 2.3、 D 1 にしている会社がありましたが、そうすると期待通りBの価値が違ってくるので、やめるように指導しました。(実際、やめました)
 どうしても最高点をそろえたいのであれば、普通通り計算して、
最後に、(100/各階層の最高点) を掛け算して、修正してくださいとお願いしましたが、一緒に、点数化の理由を上記のように説明したら、そうですねということで総合評価の区切りの点数を考慮するということで、決着つきました。
私もそれがよいと思います。

ちなみに、処遇上Sに値すると私が思う人材像は
 成績オールA、能力A(Sだと昇格しているはず)、情意考課はオールB(積極性はA)
 責任性がAだとちょっと怖い、すごい努力で結果がでているわけであるから。
 普通の努力で結果がでているほうがよい。努力は明日どうなるか分からないから。
そうなると、ウエイト配点によりますが、点数にすると75点前後になると思います。

 

 
   

33.残業命令?

 
   

 現状、残業するのにあたり従業員から「時間外勤務申請書・報告書」というのを提出してもらい事前申請という形で残業しております。 が、従業員の中から「会社側の命令で残業している」という形に変えて従業員自らやりたくて残業しているのではないというのを形付けて欲しいと言われました。 今までこのような話を聞いたことがなく総務側としてもどのようにしたら判らない状態です。
「残業命令書」なるものが、世間では使われているのでしょうか?(総務担当者)

 「残業命令書」なるものは、聞いたことがありません。
残業とは、業務の必要に応じて管理者が要請し社員が了解した場合、または
 社員が申し出て管理者が承認した場合に発生するものであり、 一方的に、管理者が命令するとか、社員が自由に行うというものではありません。
 残業命令という言葉がありますが、絶対的命令ということではありません。 「正当な理由があれば拒否できる」ということが、法律解釈ですから やはり、本人の合意が必要ということになります。
 (例外的な場合は、ありますが)
今回、申請という言葉に対して、疑問を感じていらっしゃるようですから、 申請という言葉をなくして、単にその事実を届けるというニュアンスで 「残業届」になさるとよいと思います。
当然そこには管理者の承認印の欄は必要でしょう。

 

 
   

34.考課者訓練の内容

 
   

 当社では新しく評価制度を改定し、評価者のレベルアップのため考課者訓練を実施したいと考えております。どのように考課者訓練を進めるのでしょうか。また、当社の制度にあわせて実施してもらえるのでしょうか?(人事担当者)

 おっしゃるとおり、人事トータルシステムが狙いどおり機能するかどうかは、その核となる人事考課が公正に行われるかどうかにかかっており、人事考課を公正に行うためには、考課者訓練等を通じて考課者のレベルアップを図ることが不可欠です。

 人事考課については、各社いろいろな考え方や、用語があり事前打ち合わせの上、ルールの確認、用語の確認を行い、それにあわせて研修テキストを作成し、実施いたします。
もちろん、人事考課の浸透状況により、研修内容を調整いたします。

 人事考課の浸透状況というのは
 ・ 明確な人事制度が確立されてない。この研修をきっかけに制度の確立を目指す状況
 ・ 新しく人事制度を確立し、その浸透を図るとともに評価者のレベルを上げたい
 ・ 人事制度は定着したが、人事考課にばらつきが多い。面接も十分でない。
 ・ 人事制度も定着し、人事考課や面接もしっかり行われているが、それだけで、育成や活用に発展していない。
などの状態をいい、その状況と目指す方向によりカリキュラムを組替えます。

 研修の進め方は、基本的には
 基本的な講義→事例研究→解説→グループワーク→解答解説と応用
になりますが、状況により、基準作りや実例に対するQ&Aなど、打ち合わせの上、より効果の高い方法を選択します。

 また、時間や予算の関係により、人事考課の研修だけでなく「人事考課通信添削」や「人事考課力診断テスト」を併用して、より効果が上がるようにカリキュラムを組みます。
 例えば、2日間の研修を、時間の関係で
「診断テスト+1日研修」 や 「1日研修+通信添削」 に組替えるなどです。

 人事考課者訓練は、ただ単に考課力を向上させるだけでなく、部下の指導育成能力を開発し、リーダーシップを強化するという点においても著しい効果があります。
 また、考課者訓練の講師は、考課基準や考課ルールがある程度浸透するまでは、外部の講師の方が良いでしょう。これは、予期せぬ質問があったり、事例研究で感情的になったりして社内講師では対応できないことが多いからです。

以上、考課者訓練についてですが、最終的には各社打ち合わせの上内容を決定しております。

下記URLを参考にしてください。

人事考課者訓練各社の取り組み(PDFファイル)

人事考課のプログラム例  
 http://www.jk-web.co.jp/annnai/gyoumu/kyoiku/kyoiku_kokasya.htm
人事考課力養成講座(PATS)
 http://www.jk-web.co.jp/annnai/gyoumu/tool/tool_main.htm
人事考課力コンピュータ診断テスト2(PASS) 
 http://www.jk-web.co.jp/tools/

 

 
   

35.仕事が同じ場合、正社員とパートの賃金は同じにすべきですか? 

 
   

 正社員とパートなど正社員以外の人たちの賃金格差は、日本は諸外国に比べて大きくなっています。しかし、その人がどういった仕事をしているかを基本に考え、仕事が同じならば賃金は同じにすべきだという考え方が、昨今主張され始めています。
 その一方で、正社員はパート労働に比べ拘束度や責任が重く、また立場も違うので、賃金が高くてもそれは当然だという議論もあります。
 あなたは正社員とパートの賃金を同じにすることに賛成ですか?反対ですか? 
 NHK BS1番組「インターネットディベート」の賃金改革は必要か?の質問

 仕事が同じならば賃金は同じが原則。したがって、正社員の賃金をパートの賃金に下げる必要がある。同じ仕事を低賃金で行う人がいるのであれば、当然その人にやってもらうのが、企業の原則。あえて高い買い物をする必要はない。正社員はパートと同じ仕事をするようになったら、正社員の意味がない。パートと同じ金額でよいのでは。

 パートの金額を正社員と同じにするという考えはおかしい。低賃金で使えるパートの意味がなくなってくる。今企業では、仕事を単純化標準化して、誰でもできるようにして安い労働力でコスト競争に勝とうとしている。したがって、低賃金で使える労働力は必要である。
 高賃金で誰でもできるような仕事をしている正社員に問題がある。それを放置している経営者や管理者、変に既得権益を守る労基法に問題がある。同じ仕事で、正社員25万、パート10万を、職務が同じならどちらも15万にすれば、会社も含めてみんなハッピー。
(会社は人件費が下がり競争力つく、パートは賃金が上がる、正社員はクビがつながる。)

 あくまでも同じ仕事をしているという前提で。