Click here to visit our sponsor

トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  評価のQ&A 5

 
   

 21.目標管理で一番大事なことは?

 
   

   私は、ゼミで目標管理について勉強しています。目標管理とは一体何が一番必要なのですか?(足跡を利用して、tomomiさんからの質問)

 目標管理で大事なこと、必要なことを端的にいうと次のようになります。
1 目標達成のために活動すること。
2 達成できるように本人がその活動を自己管理し、
  上司や会社は達成できるように仕組みを作ること。
3 せっかく達成するのだから、その目標は会社に貢献する目標であること。
4 達成するためには、本人が意欲的になれる目標であること。
5 達成した目標について、適切な評価がされ、報酬に跳ね返ること。

 目標管理というと、目標設定の仕方とか評価の仕方、処遇との連動の仕方など
色々議論されますが、
一番大事なのは、
目標達成のために、本人はもちろん上司や会社が、
その目標を達成できるように努力することではないでしょうか。

 評価のために目標管理をするのではなく、
業績をあげるために目標管理をするのであって、
たまたま、その結果を業績と捕らえ評価にも連動しようということでしょう。

と私は思っています。kana_3より

 
   

 22.目標管理で連帯責任はあり?

 
   

 設計工数を15%ダウンという部門目標があり、個人目標も同じく設計工数15%ダウンを設定しました。半年後、個人的には目標を達成したのに、部門目標が達成できなかったからという理由で私の評価は「C」と上司から言われました。
 こんなことってあるのでしょうか?(富士山さんより)

 ありません。おかしな話です。
個人目標を達成したのであれば、BまたはAと評価すべきです。(難易度が高ければSの可能性もあり)
部門目標が達成できなかったのは、部門長の責任であり、あなた個人の責任ではありません。逆に、あなたは部門全体が苦戦している中、自分の役割しっかり全うしているわけです。
部下が一生懸命努力して個人目標を達成し、上司の管理不足等で部門目標が達成できなかったわけであり、それを部下の評価に結び付けてはいけません。
まさに「上司の責任を部下に押し付ける」になっています。

 もちろんこれは評価の段階での話であり、処遇に反映するときは、部門全体あるいは会社全体が業績が悪いのであれば、その総原資を調整することになります。

 
   

 23.目標レベルの違いはどうするの?

 
   

 成績考課が上司が与えた目標に対してであれば、目標のレベル差が出るがその調整はどうするのか?(全員の目標値が異なるのでは?)

 上司は組織目標達成のために部下に目標(職務割当)を与えます。難しい仕事もあれば簡単な仕事もあるでしょう。
その与えられた目標を達成することがまず必要であり、それが組織に貢献することになります。したがって、成績考課ではその与えられた目標(職務)を達成したかどうかを判定することになります。

 上司は組織目標を達成するために、部下の能力や特性、状況を勘案して、組織目標達成に最善の職務の割当を行うわけですから、それに対して達成度を見るということです。
 評価するために目標を設定するのではなく、組織目標達成のために目標設定するわけです。
 そして、その結果を見るということです。
したがって、レベルの調整等は基本的には関係しないということになります。(年俸制等で職務価値を測定するケースではそれぞれ測定しますが、職能資格制度では通常、レベル差はあって当然と考えます)

 例外的に、能力開発を目的に敢えて難しい目標を与えたり、組織の都合上、上位等級相当の目標を設定せざるを得ない場合は、「チャレンジプラスワン」を適用して、上方修正します。

 
   

 24.他の場所にいる部下の評価方法は?

 
   

 考課者と被考課者が違う事業所に在籍しており、普段の行動が見えない場合、どのように評価すればよいのかわからない。(子会社出向、研究機関への出向、事業所をまたぐ所属、他部署への派遣)

 評価のために仕事をしているわけではありませんから、特別にチェックするとかの必要はありませんが、通常業務の中で仕事振りをよくみておく努力は必要です。そしてその中知りえた事実で評価することになります。

 成績考課は、目標(与えた仕事)の達成度を見るわけですから、離れていても結果を見ればわかります。
 そのような結果になった事情を本人から聞いたり、関係者からの情報を本人に確認したりして、取り組みの状況を確認し、その妥当性から能力考課や情意考課を判定します。
 ここで注意したいのは、周りの情報だけで判断するのではなく、本人に確認してから評価に反映するということです。

 仕事の結果を見れば成績考課ができ、また、その結果になったのは何か理由があるはずです。その点を確認すれば、能力考課なり情意考課なりが判断できます。
判断する事実や情報がない場合は情意考課はBとなります。
 能力考課は成績考課の結果から判断しますが、判断できない場合は、前年の評価をそのまま入れます。

 
   

 25.人事考課と処遇のズレをどう考える?

 
   

 人事考課でAをつけたのに 昇給や賞与ではBになって、部下にフィードバックした内容とことなり返答に困ってしまった。おかしくないか。

 人事考課をするということと、昇給や賞与の査定を決めるということは別問題です。人事考課は半年間上司が部下の仕事振りを見て、よかった点悪かった点を確認し、本人に伝えるとともに今後の育成に活かしていこう、あるいは今後の仕事の与え方に反映しようということです。その点を伝えればよいわけです。賞与の評価や昇給の評価は1次考課者が考課した時点ではわかりません。2次考課もあれば、相対区分もあります。
 わからないことを言うから返答に困るのです。わかることだけ言ってください。
1次考課の時点でわかることは、仕事振りに対してどうだったかだけです。

 人事考課するときは絶対考課で行いますが、処遇に活用するときは目的に応じて「絶対区分と相対区分」に分けて活用します。考課者は人事考課をするということと、処遇に活用するということは別の問題であると考える必要があります。(育成のための人事考課)
・ 絶対区分
 絶対区分とは、ウエイト計算により算出された点数をそのまま使用する方法で、全員Aとか、全員Dということが起こりうる可能性があります。
・ 相対区分
 相対区分は算出された点数で、上から順に並べ分布規制により、総合評価を決めていく方法です。必ず、S何人、A何人と規定の人数(%)が該当します。これは、定員の決まっている賞与等の配分に利用されます。

 絶対区分と相対区分のちがい

 

絶対区分

相対区分

方法

点数をそのまま生かす。

点数により順位をつけて、その順位により決まる。

結果

全員Aとか、全員Dというふうに、かたよりが発生する。

分布規制により、決まった人数が該当する。

用途

昇格、昇給に活用。

賞与に活用。
(昇進にも利用)

考え方

「100m走で、13秒以内の人に賞品を出しますよ」という考え方。

「100m走で、1位2位3位の人に賞品を出しますよ」という考え方。