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トップページ評価の基本評価のQ&A人事制度の基本有名人の評価言いたい放題掲示板

   

  評価のQ&A 2

 
   

 6.ネクラなタイプの評価は?

 
   

 「少しネクラなタイプの若者がいます。仕事が遅れたり、ミスがあっても同僚や先輩はだれも助けてくれません。他の人であれば、回りの人が協力して何とか仕事は完了するのですが、彼の場合は、いつも残ってしまいます。
 やはり、協調性に問題があるのでしょうか。」

 世の中には、人付き合いの苦手な人や、無口でネクラな人もいます。しかし、それは性格の問題で人事考課には全く関係ありません。あくまでの、職務行動のみを対象にします。
 仕事が遅れたり、ミスがあるということは、その仕事の難易度にもよりますが、等級レベルの仕事であれば、成績考課、能力考課は「C」となります。

 しかし、協調性は協力する方の問題であって、協力される方は関係ありません。協力するほうが、選り好みの協力をしているわけですから、そちらの方を協調性で「C」とすべきです。
本当に協調性があれば、組織目標のために相手がだれであろうと、機会があれば協力するはずです。相手によって、態度を変えるのであれば、協調性に問題があるとしなければいけません。 

 
   

 7.自分の仕事をせず協力するのは?

 
   

 「受付にいつもの加藤さんに変わって田中さんが座っていました。「どうしたの?」と尋ねますと、「加藤さん、風邪ぎみで病院に行っているんです。その間だけ、私が見てあげることにしました」という返事です。田中さんはよく他人の仕事を手伝ってくれます。
 この間は秘書室でタイプを打っていましたし、1週間ほど前には営業で封筒に切手を貼っていました。
 彼女は会計課ですが自分の仕事にはあまり身が入っておらず、他人の仕事を手伝うことばかり熱心です。このような場合どう評価したら良いでしょうか。」

 会社の中にはそれぞれ持ち分というものがあります。
みんながそれを守ることによって組織の中の分業が成り立っています。
ところが、個人が持ち分を守ることだけにあくせくし、他人の仕事に注意を払わなければ全体としての効率は低いものになってしまいます。
そこで、それぞれの持ち分の接点のところでは助け合い、力を合わせる必要があります。それが協調性です。
 しかし、協調性を云々できるのは自分の持ち分を一通り果たした上でのことです。
つまり、責任性が『B』以上でないと協調性に『A』をつけることはできません。
自分に任されたことをやらずに他人の手伝いばかりしているのは、単なるでしゃばりに過ぎません。

 このケースの場合田中さんの日頃の行動から、責任性が『A』(困難を克服し、自分の業務を最後までやり遂げようとした)、または責任性が『B』(自己の業務を最後までやり遂げようとした)であれば、協調性を『A』と考課してもよいです。
 文面から判断して、責任性が『C』(自己の業務はほったらかしになっている)とすれば、単なるでしゃばりとしか取れないわけですから協調性の考課対象とはなりません。
 もし他に協調性を考課できる行動(チームワークを高めるようとする態度など)があった場合、その度合いに応じて『B』以下に考課をすることになります。
 

 
   

 8.恩着せがましい協力は?

 
   

 「仕事の応援を頼むといつも手伝ってくれるのですが、恩きせがましいことを言ったり、いやな顔をしたりします。
 この場合の、協調性はどう考えるとよいでしょうか。」

 この場合も、事実だけを冷静に判断します。いつも手伝ってくれるのですから、協調性「B」となります。人のいやがる仕事や緊急の頼みごと、また、自分自身が忙しい時の手伝いであれば「A」となります。
 イヤイヤであっても、手伝ったという事実に着目してください。
 逆に、非常に愛想がよく、調子のいい事は言うがいざとなると「うまい理由」をつけて手伝わないという場合の方が問題です。
 話し方や態度、日頃の人間関係などでつい感情的になってしまいますが、人事考課をするときは冷静に事実だけに着目するようにします。
 

 
   

 9.仕事を完了し雑談しているのは?

 
   

 「多少手が遅くても、時間ぎりぎりまでコツコツ仕事をやっているタイプと、 手が早くて、時間前には仕事を完了し、雑談しているタイプがいます。
 どう評価すればよいでしょう。」

 一人一人、別々に考えます。まず、手が遅いということは能力(技能)に問題があると考えられます。時間ぎりぎりに仕事が完了するということは成績考課(仕事の量)に問題があります。自分の仕事を完了するためにコツコツやるのは当たり前です。
したがって、技能「C」、仕事の量「C」、責任性「B」となります。

 また、手が早くて時間内に仕事が完了するということは、その仕事の難易度にもよりますが、等級レベルの仕事であると考えれば、能力(技能)[A]、仕事の量「B]または[A]となります。
 自分の仕事を完了して雑談しているという点については、自分の仕事が完了しているわけですから責任性は不問ですが、「自分に余裕があるにもかかわらず、同僚の手伝いをしようとしない」という点で協調性「C]、または、「自ら進んで、現状以上の仕事をしようとしない」という点で、積極性「C]が該当します。
 また、雑談が顕著であれば、規律性「C]も該当します。
 

 
   

 10.あがってしまってうまく話せないのは?

 
   

 「仲間うちで話をしているときは、全く問題ないのですが、お客さんの前や会議の席で話をするときは、上がってしまい、何をいっているのか分からなくなってしまいます。 こんな場合、表現力はどう考えればよいでしょうか。」

 お客さんと話をしたり、会議で発言することがその人の職務の中に入っており、等級にふさわしい内容の話であれば、当然人事考課の対象になります。
 上がろうが上がらなかろうが、わかりやすく話が出来ないということは、表現力で「C」と判定されます。また、そのことで業務に支障があれば「D」となります。
性格やクセ、資質等は関係ないということです。その業務(この場合はわかりやすく話をすること)を期待通りできるかどうかだけをみます。性格だからしょうがないと言って見逃すわけにはいきません。わかりやすく話が出来るように努力するなり、工夫するなりすることが必要です。
 もし、改善が不可能であったり、身体的な問題がある場合は、はじめからそのような職務を与えないようにするべきです。

 人には性格や身体的なものなどで、向き不向きの仕事があります。
これらの適性は、仕事を与える前に考慮すべきものです。
仕事を与えた以上は、その仕事をどれだけできるかどうかで人事考課を行います。